特車申請で軌跡図が必要になるケースと不要なケース|判断の目安

特車申請で軌跡図が要ると言われたのですが、そもそも軌跡図って何ですか?

同じような申請でも、軌跡図が必要なときと不要なときがあるのはなぜですか?

特殊車両通行許可(特車許可)の申請では、「軌跡図」という図面が必要になることがあります。専門的な図面のため、費用も手間もかかり、「本当に必要なのか」「不要にできないのか」と気になる方が多いテーマです。

こんにちは。福岡・熊本・大分を中心に特殊車両通行許可のお手伝いをしている、ごとう行政書士事務所の後藤です。

この記事では、軌跡図とは何か、どんな交差点で必要になり、どんなケースでは不要になるのかを、判断の目安とともに解説します。軌跡図は当事務所でも作成をお引き受けしている、受任に直結する実務のひとつです。

目次

軌跡図とは何か

軌跡図とは、車両が交差点を曲がるときに、車体(特にトレーラーの後輪や車体後部)がどのような軌跡を描くかを図で示したものです。

大型のトレーラーは、前輪が通ったラインの内側を後輪が通ります(内輪差)。長い車両ほどこの差は大きくなり、交差点を曲がるときに車体が対向車線や歩道側にはみ出したり、逆に内側の縁石に乗り上げたりします。軌跡図は、その車両がその交差点を安全に曲がりきれるかを、あらかじめ図面で確認するためのものです。

なぜ軌跡図が求められるのか

軌跡図が求められるのは、「その車両で、その交差点を、実際に曲がれるのか」を審査で確認する必要があるからです。

特車申請の審査は、道路や橋の重量だけでなく、「寸法的に通れるか」も見ています。特に交差点は、車両の長さ・幅が大きいほど通行の可否がシビアになります。データベース(道路情報便覧)で機械的に判断できない交差点や、旋回が厳しい交差点では、軌跡図を出して「曲がれること」を示すよう求められます。

軌跡図が必要になりやすい交差点・車両

次のような交差点・車両の組み合わせでは、軌跡図が求められやすくなります。

  • 車両が長い(セミトレーラー・フルトレーラー・ポールトレーラーなど)
  • 交差点の道路幅が狭い、または交差角が直角でない
  • 曲がる先の道路が細い(出発地・目的地周辺の市道など)
  • 未収録道路を含み、機械的な判断ができない
  • 超寸法で、算定要領の範囲を超えている

特に、目的地の直前で細い道に曲がり込むケースは要注意です。幹線は問題なくても、最後の交差点で曲がりきれず、そこで軌跡図が必要になることがよくあります。

なぜ長い車両は曲がりにくいのか(内輪差)

大型の車両を運行している皆様にとっては当たり前のお話かもしれませんが、念のために記載します。

長い車両が交差点を曲がると、前輪が通ったラインの内側を後輪が通ります。この差を「内輪差」といい、車両が長いほど大きくなります。セミトレーラーやポールトレーラーのように長い車両では、曲がるときに後輪が内側の縁石に乗り上げたり、逆に車体後部が対向車線側へ大きく張り出したりします。

つまり、軌跡図が必要かどうかは「車両の長さ」と「交差点の広さ・形状」で決まります。同じ交差点でも、単車なら問題なく曲がれるのに、長いトレーラーだと曲がりきれない、ということが起こるために確認が必要なのです。

軌跡図は「経路づくり」とセットで考える

特車のオンライン申請では、経路は道路情報便覧に収録された交差点をつないで主にオンラインシステムを用いて作成します。ところが、便覧に収録されていない細い道や、旋回が厳しい交差点を含む経路では、機械的な判断ができず、軌跡図で「曲がれること」を個別に示す必要が出てきます。軌跡図は単独で存在するのではなく、「この経路で本当に通れるのか」を確かめる経路づくりの一環なのです。

軌跡図が不要になりやすいケース

逆に、次のようなケースでは軌跡図が不要になることが多いです。

  • 車両が比較的小さく、内輪差が小さい(単車など)
  • 経路が幹線道路中心で、交差点が広く整備されている
  • 道路情報便覧に収録済みで、機械的な審査で通行可と判断できる
  • 既に同種の車両・経路で通行実績があり、旋回に問題がないことが確認できる

要するに、「その交差点を曲がれることが明らか」であれば、わざわざ軌跡図を出す必要はありません。軌跡図の要否は、車両の大きさと交差点の状況で決まります。

軌跡図はどうやって作るのか

軌跡図は、車両の諸元(長さ・幅・軸距・輪距など)と交差点の形状をもとに、専用のソフトや作図技術を使って作成します。

  • 車両の諸元を正確に把握する(車検証・車両諸元表・外観図)
  • 交差点の形状・幅員を確認する(必要に応じて)
  • その車両がその交差点を曲がる軌跡を描き、はみ出しや接触がないかを確認する

これは専門的な作業のため、社内で作るのが難しい場合は、行政書士が申請とあわせてお引き受けします。ごとう行政書士事務所でも、軌跡図の作成に対応しています。主に、審査担当の方より要望があった際に提出しております。

軌跡図・経路図・荷姿図の違い

特車申請では似た名前の図面が出てきて混乱しがちです。役割を整理しておきましょう。

図面何を示すか
経路図どの道を通るか(通行経路を示した地図)
軌跡図交差点で車体がどう曲がるか(旋回の可否)
荷姿図荷物をどう積むか(積載物の寸法・はみ出し)

軌跡図は「曲がれるか」、荷姿図は「安全に積めているか」、経路図は「どこを通るか」を示すもので、それぞれ確認する対象が違います。どの図面が必要になるかは、車両と経路・積載の状況によって変わります。

軌跡図で「通れない」と分かったときの選択肢

軌跡図を描いた結果、「その交差点は曲がれない」と分かることもあります。そのときの選択肢は主に3つです。

  1. 経路を変える:別の広い交差点を通るルートに変更する
  2. 通行条件を付けて通る:誘導車を配置し、対向車線の一時的な使用などの条件付きで通行する(道路管理者の判断による)
  3. 車両を見直す:どうしても通れない場合、より小回りの利く車両構成を検討する

「曲がれないから諦める」ではなく、経路や条件の工夫で通せる道を探していくことも可能です。ここは経験だけでなく、審査担当の方との対話も大切な点となります。

よくあるご質問(Q&A)

軌跡図は必ず必要ですか?

いいえ。車両が小さく、交差点が広ければ不要なことが多いです。長い車両で狭い交差点を曲がる場合など、旋回の可否が問題になるときに求められます。

軌跡図は自分で作れますか?

車両諸元と交差点形状をもとにした専門的な作図が必要です。社内で難しい場合は、申請とあわせて行政書士が作成します。当事務所でも対応しています。

軌跡図があると審査は早くなりますか?

旋回の可否を事前に示せるため、審査がスムーズになるケースもあります。ただ、多くの場合は求められて初めて作成して提出することが多いので、「求められた際に素早く作成できるか」がポイントとなります。

軌跡図の費用はどれくらいですか?

当所でお受けする場合、軌跡図作成のみ単発の場合は10,000円〜15,000円頂いています。特車申請とご一緒の依頼ですと、各種条件は事前に伺っておりますので、5,500〜7,700円ほどとなります。見積りの段階で、必要な書類と費用の見通しをお伝えします。

どんな車両だと軌跡図が要りやすいですか?

セミトレーラー・フルトレーラー・ポールトレーラーなど、長い連結車で内輪差が大きい車両です。こうした車両で狭い交差点や細い道に曲がり込む経路では、軌跡図を求められることが多くなります。

軌跡図を描いたら「曲がれない」と分かりました。もう無理ですか?

諦める必要はありません。より広い交差点を通る経路に変える、誘導車を付けて条件付きで通るなど、対応の選択肢があります。経路の再設計で通せる道が見つかることもあります。

まとめ

  • 軌跡図とは、車両が交差点を曲がるときの車体の軌跡を示した図面
  • 長い車両で狭い・特殊な形状の交差点を曲がるとき、旋回の可否を示すために求められる
  • 車両が小さい・交差点が広い・便覧収録済みなどのケースでは不要になりやすい
  • 軌跡図で「通れない」と分かったら、経路変更・条件付き通行・車両見直しで対応も
  • 作成は比較的専門的な作業。当事務所では申請とあわせて軌跡図作成に対応中。個別相談も受けています。

「この経路で軌跡図が要るのか知りたい」「軌跡図の作成も含めて頼みたい」という方は、お気軽にごとう行政書士事務所までご連絡ください。福岡・熊本・大分エリアは直接訪問でのご相談も対応しています。経路と車両を拝見すれば、軌跡図の要否と簡単見積りをお出しできます。

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