
特車申請を出したのに、なかなか許可が下りません。個別に協議が必要と言われました



同じような申請でも、すぐ許可が出るときと、1か月以上かかるときがあるのはなぜですか?
特殊車両通行許可(特車許可)は、経路や車両によって、すぐに許可が出るものと、時間のかかるものがあります。その分かれ目のひとつが「個別協議」です。
こんにちは。福岡・熊本・大分を中心に特殊車両通行許可のお手伝いをしている、ごとう行政書士事務所の後藤です。
個別協議とは、申請を受け付けた窓口だけでは判断できず、経路上の各道路管理者が個別に通行の可否や条件を検討する手続きのことです。 これに入ると審査が長引きます。この記事では、個別協議になりやすい4つのケースと、そのときに求められがちな追加資料を、実務目線で解説します。
個別協議とは何か(なぜ時間がかかるのか)
個別協議は、経路上に「その道路の管理者でなければ判断できない要素」があるときに発生します。
特車申請は、経路が複数の道路管理者(国・県・市町村・高速道路会社など)にまたがることが普通です。データベース(道路情報便覧)に収録され、算定要領で機械的に判断できる区間は、審査が速く進みます。ところが、便覧に載っていない道路や、橋の状態を個別に見ないと判断できない区間があると、その道路管理者に一件ずつ照会・協議することになります。
この「一件ずつ聞いて回る」プロセスがあるため、個別協議に入ると審査が数週間から、場合によっては数か月に延びるのです。
「道路情報便覧」と「交差点番号」
オンライン申請では、経路は地図ではなく「交差点番号」の連続で管理されます。交差点番号は、国土交通省が整備する道路データベース「道路情報便覧」に収録された交差点にのみ付与される固有番号です。便覧に収録された道路であれば、この番号でつないで機械的に審査できますが、便覧に載っていない道路は番号がなく、別処理(未収録扱い)となって、各道路管理者への個別協議に回ります。
なお、経路が複数の道路管理者にまたがる申請では、法律上、申請を受けた道路管理者が他の管理者に協議し、その同意を得る仕組みになっています。
前項の申請が道路管理者を異にする二以上の道路に係るものであるとき(中略)は、(中略)一の道路の道路管理者が行うものとする。この場合において、当該一の道路の道路管理者が(中略)許可をしようとするときは、他の道路の道路管理者に協議し、その同意を得なければならない。 (道路法 第47条の2第2項)
この「協議し、同意を得る」プロセスに時間がかかるため、関係する管理者が多いほど審査は延びます。
標準処理期間と、それを超えるケース
申請内容に変更がなく、未収録道路がなく、算定要領の範囲内で個別審査もない
この条件がそろえば、標準処理期間は新規・変更で受付から3週間以内、更新で2週間以内とされています。
逆に言えば、この条件のどれかが崩れると、標準処理期間の枠から外れます。個別協議はまさにその代表例です。「思ったより許可が下りない」という相談の多くは、経路のどこかで協議が発生しているのが原因です。
個別協議になりやすい4つのケース
次の4つは、実務上特に個別協議に入りやすいケースです。
ケース1:道路情報便覧に未収録の道路が経路に含まれる
審査用データベースに載っていない道路(市町村道や新しい道路など)が経路にあると、その区間はオンラインで即時に判断できず、管理者への個別協議が必要になります。出発地・目的地周辺の市道などでよく起きます。
ケース2:橋梁の個別検討が必要な超重量
総重量が大きく、橋梁の耐荷力を個別に計算しないと通行の可否が判断できない場合です。老朽化した橋や、設計の古い橋を含む経路では、橋ごとの検討(限度算定)が入り、条件(徐行・誘導車など)が付くこともあります。
ケース3:超寸法で交差点の通行可否を実測・検討する必要がある
車両が長い・幅が広いなどで、交差点を曲がりきれるかを軌跡で確認する必要がある場合です。旋回が厳しい交差点では、軌跡図の提出や確認が求められます。
ケース4:算定要領の範囲を超える特殊な車両・積載
特例の範囲を超える寸法・重量、あるいは分割できない特殊な貨物などは、一般的なルールで割り切れず、個別の判断が必要になります。
個別協議で求められがちな追加資料
個別協議に入ると、基本書類に加えて次のような資料を求められることがあります。
| 追加資料 | どんなときに必要か |
|---|---|
| 詳細な経路図・位置図 | 未収録道路・現地確認が必要な区間があるとき |
| 軌跡図 | 交差点の旋回可否を確認するとき |
| 荷姿図 | 積載物の形状・はみ出しを確認するとき |
| 連結検討書 | 連結車の構造・連結状態を確認するとき |
| 分割不可理由書 | やむを得ない事情の説明を求められたとき |
これらは車種・経路・道路管理者によって要否が変わります。後から追加を求められると、そのたびに審査が止まってしまうこともあるため、可能な限り先回りして提出するのも大切です。
協議を見越して申請前にできること
協議は避けられないこともありますが、「無駄に長引かせない」ことはできます。
- 経路を組む段階で、未収録道路をできるだけ避ける(可能な代替ルートを検討する)
- 目的地周辺の市道など、協議が発生しそうな区間を早めに洗い出す
- 軌跡図・荷姿図など、求められそうな資料を先回りで用意する
- 余裕を持ったスケジュール(協議込みで1〜2か月)で申請する
経験のある行政書士は、経路を確認した段階で「ここは協議になりそう」「この資料は先に作っておこう」と当たりをつけられることもあります。早め早めに専門家に相談することが、スムーズな申請・許可へとつながります。
よくあるご質問(Q&A)
- 個別協議になると、どれくらい時間がかかりますか?
-
協議先の数や内容によりますが、標準処理期間の3週間を超え、1〜2か月かかることも珍しくありません。橋梁の個別検討や現地確認が入ると、さらに延びることがあります。
- 協議を避けて早く許可をもらう方法はありますか?
-
未収録道路をできるだけ避けた経路を選ぶ、既に便覧に収録された道路を使うなど、経路の工夫で協議を減らせることがあります。ただし目的地の事情で避けられない場合もあります。
- 追加資料はこちらで用意するのですか?
-
車両軌跡図や出発地・目的地周辺の経路図などは専門的な作成が必要です。ごとう行政書士事務所では、こうした図面の作成も含めてお引き受けできます。
- 経路の交差点番号が1つ抜けているだけで差し戻されました。なぜですか?
-
経路は交差点番号の連続で構成されるため、1つでも欠けると経路として成立しません。オンライン申請の際に利用できるデジタルマップを活用して抜け漏れない申請ができるようにしましょう。
まとめ
- 個別協議とは、経路上の各道路管理者が個別に通行可否・条件を検討する手続きで、審査が長引く主因
- 標準処理期間(新規3週間・更新2週間)は「未収録なし・個別審査なし」が前提。協議に入ると外れる
- 協議になりやすいのは①未収録道路 ②超重量の橋梁検討 ③超寸法の交差点 ④算定要領超えの4ケース(協議先の道路管理者が多い経路も、同じ理由で審査が延びます)
- 軌跡図・荷姿図・目的地周辺経路図などの追加資料を先回りできるかが、審査を早める鍵
「なかなか許可が下りない」「協議になりそうな経路で見積りが読めない」という方は、お気軽にごとう行政書士事務所までご連絡ください。福岡・熊本・大分エリアは直接訪問でのご相談も対応しています。経路を拝見すれば、協議の可能性と必要資料の見立てをお伝えできます。まずは無料相談・簡単見積りからどうぞ。
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