
特車のことは全部ベテランのAさんに任せていて、正直、他の人は分かりません



Aさんが退職することになって、許可の状況も申請のやり方も引き継げず困っています
特殊車両通行許可(特車許可)は専門性が高いため、社内で「詳しい人ひとり」に集中しがちです。ところが、その人が退職・異動した瞬間に、会社全体が特車の管理をできなくなる。これは、規模の大きい運送会社ほど深刻なリスクです。
福岡・熊本・大分を中心に特殊車両通行許可のお手伝いをしている、ごとう行政書士事務所の後藤です。
この記事では、特車申請と許可管理を「属人化」させないための仕組みづくりを、担当者退職や部署分断といった具体的なリスクに沿って解説します。祖父母が運送業を営んでいた背景もあり、現場が変わっても回り続ける仕組みを大切にしています。
「属人化」がなぜ危険なのか
属人化とは、特定の担当者しか業務の中身を把握しておらず、その人がいないと業務が止まってしまう状態のことを指します。
特車の属人化が危険なのは、単に「面倒」だからではありません。許可には有効期限があり、更新を1回でも見落とせば、無許可通行という法令違反に直結するからです。
- 担当者が急に退職・入院して、更新期限が誰にも分からない
- どの車両にどの許可がついているか、引き継ぎ資料がない
- 申請のやり方(システムの操作方法や手順、特車申請への理解)が本人の頭の中だけにある
こうした状態では、担当者が抜けた瞬間に「気づいたら許可が切れていた」という事態が起きます。属人化の解消は、リスク管理そのものです。
属人化が起きやすい3つの理由
特車が属人化しやすいのには、はっきりした理由があります。
理由1:専門性が高く、教えるのが大変
特車申請は制度も手続きも複雑で、片手間には覚えられません。だからこそ「詳しい人に任せた方が早い」となり、一人に集中します。
理由2:頻度が読みにくい
毎日発生する業務ではないため、マニュアル化の優先順位が下がりがちです。「そのうち整理しよう」のまま放置されます。
理由3:オンラインシステムが、正直わかりにくい
近ごろの多くのWEBシステムはユーザーフレンドリー・UX・UIなどを意識しているものが多いのですが、特車申請のオンラインシステムはそこまで手が回っていないのが実情です。
担当者が辞めても回る仕組みの作り方
属人化を防ぐ基本は、「情報を人から切り離して、会社の資産にする」ことです。
具体的には次の4つです。
- 許可の一元台帳をつくる:車両ごと・申請ごとの許可番号・有効期限・通行条件を1つの台帳に集約する(更新期限管理の記事で紹介した台帳が土台になります)
- 申請手順を文書化する:システム、ログイン情報の管理場所、申請の流れを手順書にする
- アカウント情報を会社で管理する:IDやパスワードを個人メモではなく、会社として管理する(担当変更時に確実に引き継げる形に)
- 更新のアラートを仕組みにする:期限の2〜3か月前に、担当者以外にも通知が届くようにする
これらは特別なシステムがなくても、Excel(スプレッドシート)と共有フォルダで始められます。大切なのは「その人の頭の中」を「会社の見える資料」に移すことです。
部署が分かれている会社の落とし穴
規模の大きい会社では、「申請する部署」と「運行する部署」が分かれていることで、別のリスクが生まれます。
- 運行部門が経路を変えたのに、申請部門に伝わっていない(許可外経路の走行)
- 車両部門が車両を入れ替えたのに、特車の再申請が漏れる
- 通行条件(誘導車が必要など)が現場に共有されていない
これは「担当者の退職」とは別の、部署のつなぎ目で起きる属人化です。対策は、部署をまたいで同じ台帳・同じ情報を見られるようにすること。車両入替・経路変更・現場追加があったら、その情報が特車の管理台帳に反映される流れを作っておきます。
引き継ぎ資料に最低限そろえるもの
担当者が変わるときに、最低限これだけはそろえておきましょう。
- 許可一元台帳(車両・許可番号・有効期限・通行条件・経路概要)
- 申請システムのアカウント情報の管理場所
- 申請手順書(新規・更新・変更の流れ)
- 過去の許可証・回答書・図面のファイル(車両ごと)
- 顧問の行政書士など、外部の連絡先
これがあれば、後任者は「何が・いつ・どうなっているか」を把握でき、引き継ぎの空白期間に許可を切らすリスクを抑えられます。
外部(行政書士)を「受け皿」にする
属人化を根本から解消する方法のひとつが、特車の管理を外部の行政書士に「共通の受け皿」として持ってもらうことです。
社内の担当者が変わっても、外部の受け皿が台帳・期限・経路を把握していれば、会社としての記録は途切れません。
ごとう行政書士事務所では、運送会社様の特車許可を、台帳・期限・経路・許可条件までまとめてお預かりし、更新時期が近づいたらこちらからご連絡する管理型のサポートを行っています。担当者の退職や部署の分断があっても、特車の状況を把握している存在が社外にいる。これは、単発で申請を代行する契約にはない価値だと考えています。
まず1か月でできること
「属人化を解消する」と聞くと大がかりに感じますが、最初の一歩はシンプルです。次の順で進めれば、1〜2か月ほどで土台ができます。
- 現在有効な許可を全部集めて、1枚の台帳に書き出す(車両・許可番号・満了日・条件)
- 申請システムのログイン情報を、担当者個人から会社管理へ移す
- 新規・更新・変更の申請手順を、簡単な手順書にまとめる
- 更新の2〜3か月前に、担当者以外にも通知が届く仕組みにする
いきなり完璧を目指す必要はありません。まず「その人がいなくても、次の更新時期と必要書類が分かる」状態を作ることが、会社を守る最初の防波堤になります。
よくあるご質問(Q&A)
- 特車の担当者が来月退職します。何から手をつければいいですか?
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まず、現在有効な許可を一覧化してください(車両・許可番号・有効期限・経路・条件)。次に申請システムのアカウント情報を会社で管理できるようにします。当所では、この棚卸しをどう進めていくか?からお手伝いできます。
- 小さな会社でも属人化対策は必要ですか?
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車両が数台でも、担当者が一人なら属人化リスクは十分あります。台帳と手順書を用意するだけで、その人が休んでも会社が困らなくなります。
- 台帳や手順書を作る余裕がありません。
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一元台帳の作成から申請手順の整理、期限管理まで、外部の受け皿としてまとめてお引き受けできます。「仕組みごと」お任せいただく形も可能です。
- 部署間の連携が悪く、申請漏れが起きます。
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車両入替・経路変更・現場追加の情報が特車台帳に反映される流れを設計することが有効です。部署をまたいだ運用の整理からご相談ください。
- 外部(行政書士)に任せると、社内に知見が残らなくなりませんか?
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外部を「受け皿」にしつつ、会社にも見える資料が残る形にできますので、丸投げで中身が見えなくなる心配はありません。また、特車申請はあくまでも運送会社様にとって必要な「手続き」の一つだと思います。本業に集中していただくためにも、このような煩雑な手続きは外部に任せるという選択はおすすめです。
まとめ
- 特車の属人化は、担当者が抜けた瞬間に更新漏れ=無許可通行のリスクに直結する
- 属人化は「専門性の高さ」「頻度の低さ」「アカウントの個人管理」から起きやすい
- 対策は、許可の一元台帳・申請手順書・アカウントの会社管理・更新アラートの4点
- 部署が分かれる会社は、車両入替・経路変更が台帳に反映される流れを作る
- 外部の行政書士を「共通の受け皿」にすれば、担当者が変わっても会社の記憶が途切れない
「担当者の退職に備えたい」「特車の管理を仕組みにしたい」という方は、お気軽にごとう行政書士事務所までご連絡ください。福岡・熊本・大分エリアは直接訪問でのご相談も対応しています。まずは現在の許可の棚卸しから、一緒に属人化を解消していきましょう。
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