古物商許可の必要書類と申請書の書き方|個人・法人別に行政書士が解説

警察署で必要書類のリストをもらったのですが、『身分証明書』の意味がよくわかりません。運転免許証のことではないのでしょうか?

個人で申請するつもりが、途中で法人化を検討中です。法人と個人で必要書類はどう違うのでしょうか?

こんにちは、ごとう行政書士事務所の後藤です。古物商許可シリーズ第4回の今回は、申請の山場である「必要書類」と「申請書の書き方」について、実務目線で詳しく解説します。

前回までで「全体像」「品目の選び方」「営業所と管理者」を整理しました。要件をクリアできても、書類の準備で時間がかかるケースが非常に多く、特に身分証明書(本籍地役場で取得)は「役所まで何度も行く時間がない」と苦戦する方が多い書類です。

今回は、個人申請と法人申請のそれぞれに必要な書類一式と、申請書の書き方でつまずきやすいポイントを実務目線で整理します。

福岡・熊本・大分を中心に許認可申請のサポートを行っている行政書士として、書類の取得方法から記入のコツまでお伝えします。ぜひ最後までお付き合いください。

目次

申請書類の全体像(個人・法人)

古物商許可の申請書類は、個人申請と法人申請で大きく分かれます。法人の場合、書類の点数は個人の倍近くになることもありますよ。

書類個人法人
古物商許可申請書
略歴書本人役員全員+管理者
住民票の写し(本籍地の記載必須/マイナンバー不要)本人役員全員+管理者
身分証明書本人役員全員+管理者
誓約書本人+管理者役員全員+管理者
営業所の使用権原を示す書類
登記事項証明書
定款の謄本
URL届出書類(オンライン取引する場合)

個人申請の必要書類と取得方法

① 古物商・古物市場主許可申請書(別記様式第1号)

  • 福岡県警のホームページからダウンロード可能
  • 申請者の氏名・住所・営業所の所在地・取扱品目・管理者情報などを記入
  • 記入欄が複数枚に分かれており、すべて埋める必要がある

② 略歴書(最近5年間の経歴)

  • 過去5年間の職歴・住所歴を時系列で記入
  • 無職期間も「無職」と記入し、空白を作らない
  • 福岡県警のホームページに様式あり

③ 住民票の写し(本籍記載・マイナンバー記載なし)

  • 住所地の市区町村役場、コンビニ交付等で取得可能
  • 取得時に「本籍記載あり」「マイナンバー記載なし」を指定
  • 手数料:300円程度
  • 有効期限:発行から3ヶ月以内が一般的

④ 身分証明書(本籍地の市区町村が発行する書類)

行政書士 後藤

運転免許証ではありません!古物商許可で求められる「身分証明書」とは、本籍地の市区町村役場が発行する公的証明書のこと。「成年被後見人・被保佐人として登記されていない」「破産手続開始の決定を受けていない」ことを証明する書類です。本籍地が遠方の場合は郵送請求で取得することになるため、書類準備の中で最も時間がかかるポイントです。

  • 本籍地の市区町村役場で発行(窓口・郵送)
  • 手数料:300円程度+郵送の場合は定額小為替・返信用封筒が必要
  • 取得期間:郵送の場合は1〜2週間を見込む
  • 有効期限:発行から3ヶ月以内が一般的

⑤ 誓約書(個人申請用・管理者用)

  • 欠格事由に該当しないことを誓約する書類
  • 申請者が管理者を兼ねる場合でも、「個人申請者用」と「管理者用」の2通提出するケースあり(管轄により運用差)
  • 福岡県警のホームページから様式をダウンロード

営業所の使用権原を示す書類(県ごとの運用で必要性は異なります。福岡は確認を求められた時だけ)

使用形態必要書類
自己所有(戸建て・分譲)登記事項証明書または固定資産税納付書のコピー など
賃貸物件賃貸借契約書のコピー+必要に応じて使用承諾書 など
親族所有物件親族の登記事項証明書+使用承諾書 など

⑦ URL届出関連書類(オンライン取引する場合)

  • 独自ドメイン・自社サイトの場合:URLの割り当てを受けたことを示す書類(プロバイダ等からの通知書、whois情報の写し)
  • メルカリ・ヤフオク等のプラットフォーム:個人のページが割り当てられたことを示すスクリーンショットなど

法人申請の追加書類

  • 登記事項証明書(履歴事項全部証明書):法務局で発行(窓口・オンライン)。手数料600円(窓口取得の場合)
  • 定款の謄本
  • 役員全員分の略歴書・住民票・身分証明書・誓約書:取締役全員、代表取締役を含む
  • 管理者の略歴書・住民票・身分証明書・誓約書(役員と別の人物の場合)

役員が複数いる法人の場合、書類点数は個人申請の2倍以上になることもあります。法人申請を検討中の方は、書類準備の段階で行政書士に依頼するのが効率的です。

申請書の書き方で迷いやすいポイント

① 「形態」欄の選択

「営業所あり/なし」「古物市場の経営の有無」を選択する欄があります。原則として「営業所あり」を選択します。営業所なし(行商のみ)は限定的なケースです。

② 「行商」欄

「行商する/しない」を選択。原則「する」にチェックを入れておくのをおすすめするケースが多い印象ですね。お客様宅への出張買取・古物市場での仕入れなどを行う可能性が少しでもあるなら、「する」にしておくと後の変更届が不要になります。

③ 「主として取り扱おうとする古物の区分」

13品目から「主たる品目」を1つ選択。前回(Vol.2)の「ビジネスモデル別の組み合わせ例」を参考にしてください。

④ 「取り扱う古物の区分」

主たる品目以外で取り扱う可能性のある品目すべてにチェック。後から追加すると変更届が必要なので、迷ったら入れておく姿勢で。ただし過剰に選択しないように。

⑤ 「インターネット利用の有無」

HP・ECサイト・メルカリ等のオンライン取引を行うかを選択。「行う」を選んだ場合、URL届出書類の提出が必要になります(メルカリ等プラットフォームは管轄により運用差あり)。

⑥ 「管理者」欄

管理者の氏名・住所・電話番号を記入します。

警察署への提出手順

STEP
必要に応じて事前相談を予約

営業所所在地を管轄する警察署の生活安全課(防犯係)に電話。古物商許可の申請をしたい旨を伝えて、事前相談の日時を予約します。

STEP
必要に応じて事前相談で書類確認

準備した書類のドラフトを持参し、不備がないか担当者に確認してもらいます。この段階で指摘を受けて修正するケースが大半なので、本申請まで余裕をもって動くのが大切です。

STEP
書類の最終調整

事前相談で指摘されたポイントを修正。住民票・身分証明書の有効期限切れにも注意します。

STEP
県収入証紙の購入

19,000円分の県収入証紙を購入します。警察署内で購入できる窓口がありますよ。

STEP
本申請の提出

警察署窓口で申請書類一式を提出。受付印の押された控えを必ず受け取ります。

STEP
審査・許可証交付

標準処理期間40日。許可が下りると警察署から連絡があり、許可証を受領します。

まとめ:書類準備は思ったよりも時間がかかります

  • 個人と法人で書類点数が大きく異なる(法人は役員全員分が必要)
  • 身分証明書は本籍地役場で取得。郵送なら1〜2週間を見込む
  • 住民票は「本籍記載あり・マイナンバー記載なし」を指定
  • 「行商する」「インターネット利用する」は迷ったら「する」がおすすめ
  • 事前相談はほぼ必須。本申請までに2〜3週間を見込む

次回(Vol.5)は、副業・本業問わず関心が高い「メルカリ・ヤフオク・eBay物販の取り扱い」について、プラットフォーム別の届出ルール・本人確認・表示義務まで解説します。

「身分証明書を本籍地役場まで取りに行く時間がない」「書類の書き方を一緒に確認してほしい」という方は、お気軽にごとう行政書士事務所までご連絡ください。福岡エリアは直接訪問でのご相談も状況に応じて対応しています。書類作成・警察署提出代行まで丸ごとお任せいただけます。全国どこでもオンライン面談OK土日祝も対応可能です。

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