
古物商許可の申請書を見たら『13品目から選べ』とあって手が止まりました。メルカリで雑多なものを扱うので、全部にチェックを入れていいのでしょうか?



ブランドバッグの買取を始めようと思っています。『皮革・ゴム製品類』だけ選べばよいのでしょうか?それとも宝飾品や衣類も入れた方がよいのでしょうか?
こんにちは、ごとう行政書士事務所の後藤です。
前回(Vol.1)では古物商許可の全体像をお伝えしました。13品目の概要にも触れましたが、実際に申請書を書こうとすると、「自分のビジネスにどの品目を選べばいいのか」「漏れがあったら違反になるのか」と迷う方が非常に多いのが実情です。


今回は、ビジネスモデル別の品目組み合わせ例と、選び方の実務ポイントを、副業せどりから本格的な買取業まで幅広いケースで紹介していきます。
福岡・熊本・大分を中心に許認可申請のサポートを行っている行政書士として、できるだけ実務に即してお話しします。ぜひ最後までお付き合いください。
なぜ13品目を選ぶ必要があるのか?
古物営業法は、扱う古物の種類によって取引の特性や盗品が混入するリスクが異なるため、13品目に分類して許可を出す仕組みになっています。
申請時には、次の2つを選びます。
- 主に取り扱う品目(メイン):1つだけ選ぶ
- 取り扱う可能性のある品目(サブ):必要に応じて複数選ぶ
そして、申請時に選んでいない品目を扱うと、無届出での営業として違反となるおそれがあります。「将来扱うかもしれないもの」も含めて、最初に余裕を持って選ぶことが大切です。
品目選びでよくある失敗
失敗①:絞り込みすぎて、後から扱えない品目が出てくる
「今はカメラだけ扱う予定だから写真機類だけでいい」と申請したものの、半年後に「お客様から時計の買取依頼が来たけど、品目に入れていなかったので困ってしまった」というケースがあります。品目を後から追加する場合は別途変更届が必要になり、警察署とのやりとりが発生します。
失敗②:広げすぎて、メインが不明確になる
逆に「とりあえず全部入れておこう」と13品目すべてにチェックを入れる方もいますが、警察署の事前相談で「実際にすべて扱うのですか?」と質問され、追加の説明を求められることがあります。「実際に扱う可能性がある範囲で」選ぶのが現実的です。
失敗③:似た品目との区別を間違える
13品目の中には、ぱっと見では区別が難しいものがあります。たとえば、
- パソコン:事務機器類(⑧)
- 家電(テレビ・冷蔵庫など):機械工具類(⑨)
- ゲーム機本体:機械工具類(⑨)
- ゲームソフト:道具類(⑩)
- カメラ:写真機類(⑦)
このように「同じカテゴリだと思っていたら別品目だった」というケースは多々あります。判断に迷うときは、警察署か行政書士に確認するのが確実です。
ビジネスモデル別の組み合わせ例
当事務所でよくいただくご相談を、ビジネスモデル別の品目組み合わせ例として整理しました。
① メルカリ・ヤフオクで雑多な物販(副業せどり)
| 区分 | 選択 | 理由 |
|---|---|---|
| メイン | 道具類(⑩) | 家具・楽器・ゲーム・玩具など最も幅広いため |
| サブ | 衣類(②)/時計・宝飾品類(③)/写真機類(⑦)/事務機器類(⑧)/機械工具類(⑨)/皮革・ゴム製品類(⑪)/書籍(⑫) | 取り扱う可能性が高いものを広めにカバー |
副業せどりでは扱う商品が幅広く変わるので、道具類をメインに据え、関連しそうなサブを広めにカバーするのがおすすめです。
② ブランドバッグ・財布の買取・販売
| 区分 | 選択 | 理由 |
|---|---|---|
| メイン | 皮革・ゴム製品類(⑪) | バッグ・財布・靴の中心カテゴリ |
| サブ | 時計・宝飾品類(③)/衣類(②)/道具類(⑩) | 付随して扱う可能性のある品目 |
「バッグだけ」と決めていても、お客様から「腕時計も買い取ってほしい」と相談されるケースは頻繁にあります。時計・宝飾品類はセット推奨です。
③ 古着・アパレルショップ
| 区分 | 選択 | 理由 |
|---|---|---|
| メイン | 衣類(②) | 古着・着物の中心カテゴリ |
| サブ | 皮革・ゴム製品類(⑪)/時計・宝飾品類(③)/道具類(⑩) | バッグ・小物・アクセサリーの取扱があるため |
④ 中古車・バイク販売業
| 区分 | 選択 | 理由 |
|---|---|---|
| メイン | 自動車(④)or 自動二輪車及び原動機付自転車(⑤) | 主軸の事業に応じて選択 |
| サブ | もう一方の④or⑤/機械工具類(⑨) | パーツ類・関連商材があるため |



中古車・バイク販売は「自動車検査証」「OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)」など別の手続きとも絡むため、開業前にトータルで設計することをおすすめします。行政書士との連携も必要になるでしょう。
⑤ リユースPC・スマホ・ガジェット販売
| 区分 | 選択 | 理由 |
|---|---|---|
| メイン | 事務機器類(⑧) | パソコン・タブレット・周辺機器 |
| サブ | 機械工具類(⑨)/道具類(⑩)/写真機類(⑦) | 家電・ゲーム機・カメラを扱う場合 |
スマートフォンは法令上明文ではありませんが、実務上は事務機器類に分類されることが一般的ですが、地域によって異なるケースもありますので、所轄警察署にて確認するのもおすすめです。
⑥ 古本・コミック・トレカ買取
| 区分 | 選択 | 理由 |
|---|---|---|
| メイン | 書籍(⑫) | 古本・雑誌・コミック |
| サブ | 道具類(⑩)/金券類(⑬) | トレカ・ゲームソフト・図書カード |
トレーディングカードは道具類(⑩)に分類されます。書籍だけを選んでいて、後から「トレカも買取で扱いたい」となるケースが非常に多いので、最初から両方カバーしておくのがおすすめです。
⑦ チケット・金券ショップ
| 区分 | 選択 | 理由 |
|---|---|---|
| メイン | 金券類(⑬) | 商品券・乗車券・ライブチケット |
| サブ | -(必要に応じて道具類など) | 金券専門なら他は不要 |
⑧ カメラ専門店
| 区分 | 選択 | 理由 |
|---|---|---|
| メイン | 写真機類(⑦) | カメラ・レンズ・双眼鏡 |
| サブ | 事務機器類(⑧)/道具類(⑩) | 動画機材・三脚・関連アクセサリーなど |
「主たる品目」の決め方
申請書では13品目から「主に取り扱う品目」を1つ選びます。基本は次の3つの基準で考えます。
- 取扱量(点数)が最も多い品目
- 売上構成比が最も大きい品目
- 事業の軸となる品目(屋号・ブランドにつながるもの)
たとえば「ブランドバッグ買取専門」を屋号にしているのなら、メインは皮革・ゴム製品類。「中古カメラ・レンズ買取センター」なら写真機類。事業のコア部分を考えれば自然と決まります。
申請後に品目を追加する場合の手続き
営業を始めてから「やっぱり別の品目も扱いたい」となった場合は、変更届出書を管轄警察署に提出します。
古物商又は古物市場主は、(中略)営業所の名称や所在地、取り扱う古物の区分等に変更があったときは、公安委員会に届出書を提出しなければならない。
(古物営業法 第7条 要旨)
- 提出期限:変更後14日以内(届出によって期限は異なります)
- 提出先:管轄の警察署の防犯係(生活安全担当課)
- 手数料:原則不要
- 必要書類:変更届出書、許可証の写し(場合により)
追加自体は可能ですが、警察署とのやり取りが発生する手間を考えると、最初から広めに選んでおくのが効率的です。
まとめ:迷ったら「広めに」が基本
- 申請時に選んでいない品目を扱うと違反のリスクあり
- 「メイン1つ+サブ複数」で、扱う可能性のある範囲を広めにカバー
- パソコン=事務機器、家電=機械工具、ゲームソフト=道具類など、似たカテゴリの境目に注意
- 主たる品目は「取扱量・売上・事業の軸」で決定
- 後から追加も可能だが、変更届の手間あり
次回(Vol.3)は、申請の中でも特につまずきやすい「営業所と管理者の要件」について、自宅を営業所にする場合の注意点も含めて詳しく解説します。
「自分のビジネスにどの品目が合うか確認したい」「警察署とのやりとりに自信がない」という方は、お気軽にごとう行政書士事務所までご連絡ください。福岡エリアは直接訪問でのご相談も対応しています。全国どこでもオンライン面談OK、土日祝も対応可能です。
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