行政書士が「AI秘書」と働く事務所をつくってみた。ClaudeやCodexを「事務所の中核」にした、士業のリアルなAI活用術

「AIで業務効率化」ってよく聞くけど、うちみたいな小さな会社が、結局なにから手をつければいいのか分からなくて……。]

ChatGPTは触ってみたけど、それ以上どう活かせばいいのか。専門家はAIをどう使ってるのか、正直なところが知りたいです。

こんにちは!ごとう行政書士事務所の後藤です。

最近、事業者の方とお話ししていると、こうした「AI、気になってはいるけど一歩が踏み出せない」というお声を本当によくいただきます。情報はあふれているのに、いざ自分の仕事にどう落とし込むかとなると、急に難しく感じてしまう。そのお気持ち、とてもよく分かります。

そこで今回は、少し趣向を変えて、私自身がふだんの事務所運営でAIをどう使い倒しているを、包み隠さずお見せしようと思います。私はデジタル庁のデジタル化推進委員も務めており、行政手続きや中小事業者のデジタル化を後押しする立場でもあります。だからこそ、きれいごとではなく「現場で実際にどう役立っているか」をお伝えするのが、いちばん意味があると思うんです。

結論から言うと、私の事務所のAI活用の中核にいるのは「Claude(クロード)」というAIです。そしてその周りを、NotebookLM・ChatGPT・Gemini・Codexといったツールが補佐として支えています。

福岡・熊本・大分を中心に活動する一人の行政書士が、どうやってAIを「もう一人のスタッフ」どころか「もう一つのチーム」にしているのか。等身大のリアルを、どうぞのぞいてみてください。

目次

この記事でわかること

  • 事務所のAI活用の中核にいる「Claude」の3つの顔(Chat・Cowork・Code)の使い分け
  • Claudeに事務所の仕事を「型」として覚えさせるスキル機能の話
  • Claudeを支える4つの補佐ツール(NotebookLM・ChatGPT・Gemini・Codex)の役割
  • そして何より大事な、AIに任せてはいけないことの線引き

なぜ、一人の行政書士がAIを使い倒すのか

はじめに、少しだけ事情をお話しさせてください。私の事務所は、私と補助者の妻の、実質ふたりで回している小さな事務所です。許認可の申請、補助金のサポート、遺言・相続のご相談、そして集客やライティングのお手伝い扱う仕事は幅広く、正直なところ「人手が足りない」のが一番の悩みでした。

新しいスタッフを雇うのは、簡単な決断ではありません。そこで私は、AIを「もう一人のスタッフ」として迎え入れることにしました。その中心に据えたのが、ClaudeというAIです。

結論からお伝えすると、これは中小企業や個人事業主のみなさんにこそ、ぜひ知っていただきたい話です。大きな設備投資をしなくても、AIを賢く使うだけで「複数人分」に近い時間が生まれる。これが、私が身をもって実感していることです。

では、その中核であるClaudeを、私がどう使っているのか。まずはここからお話しします。

事務所の中核「Claude」の3つの顔

Claudeのおもしろいところは、同じAIなのに「3つの顔」を持っていることです。私はこれを、場面に応じて使い分けています。

① Claude Chat ── 相談相手・壁打ち・文章づくり

いちばん基本になるのが、対話型のClaude Chatです。これは、「いつでも相談できる相手」。一人で仕事をしていると、自分の考えが正しいか不安になる場面が必ずあります。そんなとき、Claudeに問いかけると、思いがけない視点が返ってきます。

  • 壁打ち:「この進め方で抜けはないか」「事業者の立場ならどう感じるか」を相談する
  • 文章づくり:お客様へのご案内、ご相談への返信、コラムのたたき台
  • 考えの整理:頭の中でモヤモヤしていることを、言葉にして整理してもらう

壁打ち相手がいつでもそばにいる。この安心感は、一人事務所にとって本当に大きいです。

② Claude Cowork ── ファイル作業・資料作成の実働部隊

次が、私がいま特に頼っているClaude Coworkです。これは、パソコンの中のファイルを直接読み書きして、資料や書類を作ってくれる機能です。チャットで会話するだけでなく、実際に手を動かして成果物を仕上げてくれるのが、Chatとの大きな違いです。

  • 事務所のフォルダを読み込み、コラムやご提案資料を作成する
  • Word・Excelなどの書類づくりを、対話しながら進める
  • 調べものから資料の仕上げまでを、ひと続きの作業として任せる

冒頭でお伝えしたとおり、この記事自体も、Claude Coworkと一緒に作っています。私が「こういう記事を書きたい」と方針を伝え、調べものや下書きをClaudeが進め、私が事実関係や表現を確認して仕上げていく。まさに「もう一人のスタッフと一緒に作業している」感覚です。

行政書士 後藤

Chatが「話して考える相手」なら、Coworkは「一緒に手を動かす相棒」。資料が手元に形として残るのが、本当に助かります。

③ Claude Code ── 本格的な開発・自動化を担う技術担当

3つ目は、少し専門的になります。Claude Codeは、本格的なアプリ開発や業務の自動化を担ってくれる「技術担当」です。「行政書士がアプリ開発?」と驚かれるかもしれませんが、これがなかなか面白いんです。

  • 事務所の「ちょっとした不便」を解消する小さなツールやアプリを作る
  • 手作業でやると忘れがちな業務を、仕組みとして自動化する
  • その時々の困りごとに合わせて、自分専用の道具を開発する

少し前まで、こうした開発は「専門の業者さんに頼む」か「あきらめる」かの二択でした。それが今では、AIに相談しながら、自分の事務所に必要な仕組みを作れる時代になっています。「毎週やっていた面倒な作業が、ボタンひとつで終わる」それだけで、かなりの業務効率化になりますよ!

Claudeに事務所の仕事を「型」として覚えさせる

ここが、私のAI活用でいちばんお伝えしたい工夫かもしれません。Claudeには「スキル」という、事務所の仕事のやり方をあらかじめ覚えさせておく仕組みがあります。

たとえば私は、「事務所の基本情報・料金・方針・文章のトーン」をまとめた「事務所のルールブック」のようなものをClaudeに持たせています。これを読み込ませてから作業を始めると、Claudeは毎回ゼロから説明しなくても、うちの事務所らしいアウトプットを返してくれるようになります。

  • コラム執筆の構成・トーン・チェック項目を「型」として登録しておく
  • 毎回同じ説明を繰り返す手間が消え、品質も安定する
  • 業務ごとに型を用意しておけば、「いつもの仕事」を再現可能にできる

これは言ってみれば、新人スタッフに「うちのやり方マニュアル」を渡しておくのと同じです。一度きちんと型を作っておけば、あとはその型に沿って、安定した品質の仕事を何度でも頼める。「仕組み化」こそが、小さな事務所がAIで時間を生み出す最大のコツだと、私は感じています。

Claudeを支える「4つの補佐ツール」

Claudeが中核とはいえ、AIにはそれぞれ得意分野があります。私はClaudeを軸にしつつ、場面に応じて4つのツールを補佐として使い分けています。

NotebookLM ── 分厚い資料の「下調べ担当」

GoogleのNotebookLMは、自分が用意した資料だけを読み込ませて、その中身について質問できるツールです。建設業許可の手引きや補助金の公募要領といった分厚い資料を読み込ませ、内容を整理して把握していくために使っています。読み込ませた資料の中だけで答えてくれるので、根拠が手元の資料に紐づいている安心感があります。

とはいえnotebookLMもAIです。難しい手引や法令については、正確なアウトプットができないこともあります。全幅の信頼を置くのではなく、頭の整理を手伝ってくれる、紐解いてくれる下調べ程度の気持ちでいるのが一番です。AIを信用しすぎることが、士業としては一番やってはいけないことだと思います。

ChatGPT ── もう一人の汎用スタッフ

ChatGPTは、画像生成・資料作成・壁打ちなど幅広くこなす汎用ツールです。Claudeと相談しながら、用途によってはChatGPTにも意見を求める。「別の頭」でも確認することで、視点の偏りを防いでいます。

実は最近、chatGPTが使いやすくなってきていて、結構chatGPTに頼る比率も増えてきました。笑
AIについてはアップデートが起きるたびにどんどん優先して使うものが変わってきちゃいますね。

Gemini ── Google連携・検索の調べもの担当

GoogleのGeminiは、GmailやGoogleカレンダーなどふだん使っているGoogleサービスとの連携や、検索と連動した情報収集で役立ちます。「Googleの中で完結させたいときはGemini」という感覚です。

また、特に実務で手放せないのが、高度な自律調査を行ってくれる「ディープリサーチ(Deep Research)」機能です。これまでは人間が何時間もかけて何度もググり、何十ものウェブサイトを行き来して調べていたような複雑なテーマでも、Geminiにお願いすれば、ネット上の情報を自動で深く探索し、網羅的なレポートに一瞬でまとめてくれます。

「新しく始まるあの制度の背景や、他自治体での先進事例を丸ごと調べておいて」といった、骨の折れる下調べの第一歩は、まずGeminiのディープリサーチに走ってもらうのが定番となっています。

昔はgeminiとnotebookLMでいいじゃん!というタイプでしたが、だんだん沼にハマっていくと満足できなくなってしまいました。今では補佐的な役割で活躍してもらっています。

Codex ── さまざまな作業、開発のサポート

Codexは、Claudeと同じようにさまざまな作業・コーディングをサポートしてくれるAIエージェントです。chatGPTの有料プランに契約するとその真価を発揮します。作業を代わりにやってくれるのはもちろん、私は最近GAS(Google Apps Script)の作成やアプリ・ツールづくりといったプログラミング作業を手伝ってもらってます。Claude Codeと並んで、事務所の「自動化」を支えてくれる存在です。

最近Codexの進化が著しく、Claudeと対をなす存在だなと思ってます。この二つを基本的に行き来して仕事しているイメージです。笑

行政書士 後藤

Claudeを中心に、得意なところで他のツールにも手伝ってもらう。人間のチームと同じで、役割分担がうまくいくと一気にはかどります。

使い分け早見表

ここまでの内容を、一枚の表にまとめておきます。「どれを、どんなときに使うか」のイメージをつかんでいただければと思います。

ツール位置づけ主な使いどころ
Claude Chat中核・相談役壁打ち・相談・文章づくり・考えの整理
Claude Cowork中核・実働部隊ファイル作業・資料作成(この記事もこれで作成)
Claude Code中核・技術担当本格的なアプリ開発・業務の自動化
スキル機能仕組み化事務所の仕事を「型」として登録し、再現可能にする
NotebookLM補佐手引書・法令などの資料を読み込み、整理・把握
ChatGPT補佐汎用(画像生成・資料作成・壁打ち)
Gemini補佐Googleサービス連携・検索と連動した情報収集、ディープリサーチ
Codex補佐本格的なアプリ/ツールづくり

大切なのは、「ひとつのAIに全部やらせよう」としないことです。人間のチームでも、得意なことが違うスタッフに役割を振り分けますよね。AIもそれと同じで、中核となるClaudeを軸に、得意分野で他ツールも使い分けると、ぐっと力を発揮してくれます。

いちばん大事な話|AIに「任せてはいけないこと」

ここまで便利さをお伝えしてきましたが、この記事でいちばんお伝えしたいのは、ここからです。AIは強力な道具ですが、任せてはいけない領域が、はっきりとあります。

  • 最終的な判断:許可が取れるか、その進め方が適切か、など責任を伴う判断は人間がする
  • 正確性の保証:AIは「もっともらしい誤り(ハルシネーション)」を堂々と返すことがある。法令・制度は必ず一次情報で裏取りする
  • お客様の大切な情報の扱い:個人情報や秘密にすべき情報を、安易にAIに入力しない

とりわけ、私たち行政書士には守秘義務があります。お客様からお預かりした情報は、何より大切に守らなければなりません。だからこそ、「何をAIに入力し、何を入力しないか」の線引きは、便利さよりも優先すべき大前提です。

そしてもうひとつ。AIは、本当にもっともらしい顔で間違えます。条文を少しだけ違えて引用したり、もう廃止された古い制度を「今もある」と答えたり。これに気づけるのは、その分野の知識を持った人間だけです。

つまり、AIをうまく使うほど、「最後にチェックする専門家」の価値はむしろ高まる。私はそう考えています。ClaudeをはじめとするAIが下調べと下書きを高速でこなし、人間がその正しさと責任を担保する。この役割分担こそが、これからの仕事のかたちだと感じています。

これからAIを取り入れたい事業者の方へ

最後に、「自分の会社でもAIを使ってみたい」という事業者の方へ、私からのささやかな提案です。

STEP
まず1つ、身近な作業で試す

いきなり全部を変えようとせず、「メールの下書き」「資料のたたき台づくり」など、失敗しても痛くない作業から始めるのがコツです。まずは汎用性の高いGeminiやChatGPT、そしてClaude Chatのような対話型から触ってみるのがおすすめです。

STEP
うまくいったら、少しずつ広げる

「これは助かる」と感じたら、資料作成や自動化にも広げていく。使い分けの感覚は、使いながら自然と身についていきます。試行錯誤して触った数だけ、AIの得意分野と苦手分野が自然とわかるはずです。

STEP
大事な判断は、必ず人間が握る

下調べ・下書きはAI、最終判断と責任は人間。この線引きさえ守れば、AIは怖くありません。むしろ頼れる味方になります。

私は、行政書士の役割のひとつは、これからますます「事業者のみなさんのデジタル化を、すぐ隣で支えること」になっていくと考えています。制度の手続きはもちろん、「うちでもAIを使ってみたいけど、何から?」という素朴な疑問にも、同じ目線でお応えできる。それが、デジタル化推進委員も務める私が大切にしたいスタンスです。

まとめ

今回の内容を振り返ります。

  • 私の事務所のAI活用の中核はClaude(最近はCodexもですが…)。Chat(相談)・Cowork(資料作成)・Code(開発)の3つの顔を使い分けている
  • スキル機能で事務所の仕事を「型」として覚えさせ、品質を安定させ再現可能にしている
  • Claudeを軸に、NotebookLM・ChatGPT・Gemini・Codexを補佐として使い分ける
  • ただし最終判断・正確性の保証・お客様情報の扱いは、絶対にAIに丸投げしない
  • AIが進むほど、「最後にチェックする専門家」の価値はむしろ高まる

AIは、魔法の杖ではありません。けれど、正しく付き合えば、小さな事業者にとってこれ以上ない味方になります。「便利さ」と「守るべき一線」、その両方を知っている人が、これからは強い。私はそう信じて、今日もClaudeやCodexという相棒と一緒に仕事をしています。この記事も、その相棒と一緒に書き上げたものです。

AI活用やデジタル化のご相談も、ごとう行政書士事務所へ

「うちの会社でもAIや業務効率化を取り入れたいけど、何から手をつければいい?」
「許認可や補助金の手続きと一緒に、業務のデジタル化も相談したい」

という方は、お気軽にごとう行政書士事務所までご連絡ください。行政手続きの専門家として、そしてデジタル化推進委員として、事業者目線で一緒に考えます。下記の通りのサポート方法をご準備しています!

  • 単発でのご依頼による、AI活用のご相談
  • 半年間のAI活用に関する伴走型支援
  • 最新のAIや業務効率、補助金、法改正情報などを提供する事業伴走顧問

福岡・熊本・大分エリアは直接訪問でのご相談も対応しています。まずは無料相談から、一緒に整理していきましょう。WEB会議・LINEでのオンライン相談もOKです。もちろん同業・士業の皆様からのご相談もお待ちしております!笑

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