
AIで動画も作れるって聞くけれど、専門の知識がないと難しいよね?



自社のサービスを紹介する動画がほしいけれど、何から頼めばいいのか分からない…
こんにちは。ごとう行政書士事務所の後藤です。
先日、当事務所の特殊車両通行許可(以下、特車の許可)のページに載せる、1分ほどの説明動画をAIに作ってもらいました。
私がしたのは、音声入力でAIに3回話しかけたことと、途中の台本と完成した動画を確認したことだけです。動画編集のソフトは一度も開いていません。
「AIで動画なんて、詳しい人でないと無理でしょう」と思われるかもしれません。私も最初はそう思っていました。実際にやってみて分かったのは、大事なのは専門知識よりも、頼み方と進め方だということです。
この記事では、AIで初めて動画を作ってみたい方にも分かるように、次のことをご紹介します。
- AIが動画をどうやって作っているのか
- 私が実際に伝えた指示(読みやすく整えたもの)
- 「台本 → 確認 → 制作」の順に進めた理由
- AIの側で行われていた確認と、人が確認したこと
作った動画と、その概要
今回作ったのは、特車の許可の申請を「ごとう行政書士事務所に気軽に任せよう」と思っていただくための動画です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 見てほしい人 | 自社での管理が大変な方、元請・荷主などから急に「特車の許可を取って」と頼まれて困っている方 |
| 長さ・画面 | 68秒・横長(16:9) |
| 使い方 | YouTubeに上げて、ホームページに埋め込む |
| 流れ | お悩み → 安心 → 送っていただくもの → 当事務所の対応 → ご依頼の流れ → お問い合わせ先 |
| いっしょに作ったもの | 台本、YouTube用のサムネイル画像 |
AIは動画を「撮る」のではなく「組み立てる」
使ったのは、Anthropic(アンソロピック)社のAI「Claude(クロード)」です。2026年9月に新しいモデル(Opus 5.5)が登場し、「動画づくりが得意になった」という話を見かけたのが、試してみたきっかけでした。
ただ、ここは少し注意が必要です。Claudeは、カメラで撮ったような映像を直接作るわけではありません。動画の設計図になるプログラムを書き、それを1コマずつ画像にして、最後につなげて動画にしています。AIがパラパラ漫画を1枚ずつ描いて、最後にめくってくれるようなイメージです。
また、調べてみると、動画づくりは公式の発表で売りにされている機能ではなく、使った人たちの作品が話題になっている、という段階でした。
そのため、得意なことと苦手なことがはっきりしています。
| 得意なこと | 苦手なこと |
|---|---|
| 文字・図・アイコンが動く動画 | 実写の映像や、人の顔の動き |
| 手続きの流れを説明する動画 | 写真のようにリアルな映像 |
| 短いサービス紹介の動画 | 声や音楽を自分で聞いて確かめること |
今回のような「ご依頼の流れを説明する動画」は、まさに得意な分野でした。
最初にしたのは「どう頼めばいいか」をAIに聞くこと
いきなり「動画を作って」とは頼みませんでした。まず、AI自身に「どう頼めば、いちばん良い動画を作れるのか」を聞きました。整えた指示文は、次のとおりです。
Opus 5.5になって、動画をつくる力が強くなったと聞きました。あなたの力をいちばん引き出すには、どんな指示の出し方や、どんな手順で進めればよいですか。調べたうえで、あなた自身の仕組みもふまえて、分かりやすく教えてください。
動画制作の現場のような流れで進めるべきか、それとも伝え方やプロンプト(AIへの指示文)を工夫するのがよいのかも知りたいです。
返ってきた答えは、「制作現場と同じ流れで進め、途中で確認をはさむのがいちばん」というものでした。理由として挙げられたのは、次の3つです。
- AIは、作りながら画面を見ているわけではない。途中で静止画を出して見直すと、文字の重なりなどに気づける
- 長い作業を一気に進めると、途中で色や雰囲気がずれやすい。最初に台本(設計図)を作ると、それが最後まで基準になる
- 「かっこよく」のようなあいまいな言葉は、AIが自分の判断で埋めてしまう
道具の使い方を、その道具自身に聞いてみる。AIに慣れていない方ほど、最初にこの一手をおすすめします。
頼むときは、条件を数字を用いて伝える
次に、台本づくりを頼みました。実際の指示を読みやすく整えたものが、こちらです。
特殊車両通行許可申請のご依頼の流れを伝える説明動画を作ってください。
【見る人】自社で管理するのが大変な方や、荷主などから急に「特車の許可を取って」と言われて困っている方
【伝えたいこと】「自分たちでやるのは大変」から「ごとう行政書士事務所に頼めば大丈夫」へ
【雰囲気】信頼感があって、落ち着いた感じ
【使い方】YouTubeに上げて、ホームページに埋め込む
【長さ】途中で見るのをやめない長さで、1分程度
【画面】横長(16:9)
【守ること】文字を画面の端に寄せない/1画面の文字は20字以内/1画面は2秒以上表示する/アニメーションは文字と合わせる
【進め方】まずは台本を作ってください
【参考】ホームページの特車に関するページやコラム、仕事を受ける流れを確認してください。見積もりアプリは選択肢の一つとして、お問い合わせフォームや電話も案内してください。
ポイントは、「1分程度」「16:9」「20字以内」「2秒以上」と、あいまいになりやすいところを数字で伝えたことです。「短めに」「ゆっくり」と頼むより、ずっと思いどおりに仕上がります。
もう一つは、参考にする場所を示したことです。AIは実際にホームページを読み、料金、ご依頼の流れ、電話番号、受付時間を確認してから台本を書いていました。
なお、私はふだん、音声入力でAIと対話しながら仕事を進めています。今回の指示も話し言葉のままで、言いよどみも入っていました。それでも、意図はきちんと伝わりました。文章をきれいに整えることより、伝える中身をそろえることのほうが大切だと感じています。
いきなり完成させず、「台本 → 確認 → 制作」の順に
「まずは台本だけ」と頼んだのには理由があります。完成した動画を直すより、台本の段階で直すほうが、ずっと簡単だからです。
出てきた台本には、場面ごとの秒数、画面に出す文字、絵、動きまで書かれていました。私が直してもらったのは、1か所だけです。
送っていただくものは「車検証と出発地・目的地、積載物の詳細を送るだけ」にしてください。その内容で動画を作ってください。BtoBのサービス説明動画として、最高品質に仕上げてください。
ここで、ひとつ問題がありました。「車検証と出発地・目的地、積載物の詳細を送るだけ」は23字あり、私が決めた「1画面20字以内」のルールを超えてしまうのです。
AIはこれを、2つの画面に分けて解決しました。1画面目で「車検証」「出発地・目的地」「積載物の詳細」の3枚のカードを見せ、2画面目で「この3つを送るだけ」と伝える形です。伝えたいこととルールの両方を守る工夫で、完成した動画の中でも分かりやすい場面になりました。
動画づくりを頼んでから、完成した動画が届くまでは約1時間でした。その間、私が操作することはありませんでした。
AIの側では、こんな確認が行われていた
完成までの間、AIの側でも多くの確認が行われていました。報告を読んで「なるほど」と思ったものをご紹介します。
言いすぎになる表現を、自分から直していた
台本を作る途中で、「書類も役所対応も、すべて当事務所で」という案がありました。ところが、ホームページでは「当事務所が窓口となって対応」と書いています。AIはこの違いに気づき、「当事務所が窓口に」と、言いすぎにならない表現に直していました。
事務所の決まりごとを守っていた
当事務所では、記事の中で「特車許可」と略さず、「特車の許可」「特殊車両通行許可」と書くことにしています。AIは手元の指示書からこの決まりを読み取り、動画の文字にも反映していました。色も、ホームページと同じ紺色です。
ロゴも工夫されていました。ロゴの上の段にあるキャッチコピーまで入れると20字を超えてしまうため、似顔絵のマークと事務所名の部分だけが使われていました。
静止画で見直して、直していた
AIは作りながら画面を見られないので、場面ごとに静止画を書き出して見直していました。封筒に書類が入る場面の動きを作り直したり、カードとロゴのマークが重なっているところを直したりと、細かな修正が何度も入っています。
ルールを守れているか、全部のコマで調べていた
最後に、完成した動画を1/30秒ごとに、全部で2,041コマ分調べて、ルールを守れているかを確かめていました。
| ルール | 結果 |
|---|---|
| 1画面の文字は20字以内 | いちばん多い場面で20字 |
| 文字は2秒以上表示する | いちばん短い場面で2.1秒 |
| 文字を画面の端に寄せない | はみ出しは0件 |
人が68秒の動画を見ていても、ここまでは確かめられません。守れているかどうかを数字で報告してくれるのは、大きな安心材料でした。
色や音量まで確かめていた
動画に書き出したあと、AIは元の画面と色を比べ、全体が白っぽくなっていたのを見つけて直していました。BGMもこの動画のために作ったオリジナルの曲で、場面の切り替わりで音が大きくなりすぎないよう、音量をそろえていました。
人が確認・判断したこと
一方で、AIに任せきりにしなかったところもあります。
| 場面 | AIが進めたこと | 人が確認・判断したこと |
|---|---|---|
| 台本 | ホームページを読んで下書きし、文字数と秒数を確認 | 言い回しが、ふだんのお客様への説明と合っているか |
| 動画 | 絵と動き、静止画での見直し、全コマのチェック | 仕上がりの印象、事務所らしさ |
| BGM | 曲づくり、音量の調整 | 実際に耳で聞いて、雰囲気に合うか |
| 公開 | サムネイル画像の用意 | 公開してよいか、YouTubeとホームページの設定 |
特にBGMは、AIが自分の耳で聞いて確かめることができません。AI自身も、そのことを正直に伝えてくれました。最後は、人が見て、聞いて、判断する。この役割分担は、動画でも文章でも変わらないと感じています。
そのまま使える頼み方のひな形
これから動画づくりを試してみたい方は、次の形をそのまま使ってみてください。〇〇の部分を、ご自身の内容に書きかえるだけです。
【目的】〇〇を知ってもらい、△△してもらう
【見る人】〇〇で困っている方
【流す場所】ホームページ(YouTube)、Instagramなど
【長さ】〇秒
【画面】横長(16:9)または縦長(9:16)
【雰囲気】信頼感がある、落ち着いている、など
【参考にするページ】自社サイトのURL
【守ること】1画面の文字は20字以内、2秒以上表示、文字を画面の端に寄せない
【進め方】まずは台本だけ作ってください。確認してから、動画づくりに進んでください
AIで動画を作るときの注意点
実際にやってみて、気をつけたいと感じたことをまとめます。
- 実写や人の顔が必要な動画は苦手です。その場合は、別の動画AIと組み合わせる方法があります
- 料金・電話番号・受付時間などの事実は、最後に人が確かめる
- 音楽や画像は、使ってよいものかを確かめる(今回はBGMをAIが一から作りました)
- 長い動画ほど時間がかかります。まずは1分ほどの短い動画から試すのがおすすめ
お客様の個人情報などは、AIに入れないようにしましょう。今回の動画は、ホームページで公開している情報と事務所のロゴだけで作っています。お客様の情報や社内の情報を扱うときは、使うサービスの契約内容や設定、社内のルールを先に確かめておくと安心です。
まとめ
今回は、AIで1分の説明動画を作った方法をご紹介しました。
- AIは、動画を撮るのではなく、プログラムで組み立てている
- まず「どう頼めばいいか」をAIに聞くと、進め方が見えてくる
- 条件は数字で、参考にするページは具体的に伝える
- 「台本 → 確認 → 制作」と区切ると、直す手間が少ない
- AIの側でも、事実の確認や全コマのチェックが行われている
- 最後は、人が見て、聞いて、判断する
動画づくりは、専門の方にお願いするものだと思っていました。もちろん、プロにしかできない表現はたくさんあります。それでも、頼み方と進め方さえ押さえれば、小さな事務所でもちょっとした動画を作ることができるようになったと感じています。
特車の許可のご依頼の流れは、こちらのページでご紹介しています。
「AIを仕事に取り入れたいけれど、どこから手をつければいいかわからない」「自社の説明動画を作ってみたい」という方は、お気軽にごとう行政書士事務所までご連絡ください。AI活用のご相談も受け付けています。福岡・熊本・大分エリアは、直接訪問でのご相談にも対応しています。まずはお話をうかがいながら、一緒に整理していきましょう。
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※この記事の内容は、2026年9月時点のものです。

