
こんにちは!福岡県大野城市のごとう行政書士事務所、申請取次行政書士の後藤遼太です!
これまで特定技能1号として自社で頑張ってくれていた外国人スタッフ。「いよいよ滞在期限の5年が迫ってきた」「せっかく育った優秀な人材だから、これからも長くうちで働いてほしい」。そんな思いから、「特定技能2号」への変更申請をご検討されている企業様も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ2号への変更手続きを進めようとした矢先、このような壁にぶつかって戸惑う担当者様・ご本人からのご相談が当事務所にも急増しています。
「えっ?2号になったら、今まで丸投げしていた登録支援機関のサポートが外れるの!?」
「支援機関がいなくなるなら、この複雑なビザ変更手続きは誰がやるの?」
「自社で作ろうとしたけど、実務経験の証明って具体的に何をどう出せばいいか分からない…」
「そもそも他の業務が忙しくて対応しきれない…」
特定技能2号への移行は、外国人本人にとっても企業にとっても非常に大きなメリットがある反面、これまで存在した「登録支援機関による手厚いサポート」がなくなるという大きな転換点でもあります。
本コラムでは、特定技能1号から2号への変更申請において、企業(受け入れ機関)や外国人本人が直面する問題点と、自社で手続きを行うことのリスク、そして分野によって悩まれる方の多い「実務経験の証明」について、2026年の最新動向を踏まえて行政書士が分かりやすく解説します。
優秀な1号人材を「永住」も視野に入る2号へ。メリットと難しい点
特定技能制度がスタートしてから数年が経過し、各業界で「特定技能1号」として来日した外国人スタッフが、現場の最前線で欠かせない戦力へと成長しています。そんな彼らを「特定技能2号」へ引き上げることは、双方にとって非常に魅力的な選択肢です。
特定技能2号へ移行する「3つの大きなメリット」
まずは、1号から2号へ移行することで得られる代表的なメリットを整理しておきましょう。
- 在留期間の上限がなくなる(実質的な永住への道)
特定技能1号では「通算5年」という明確な在留期限がありました。しかし2号に変更できれば、在留期間の更新回数に制限がなくなります。将来的には、一定の要件を満たすことで「永住権」の取得も視野に入ってきます。 - 家族帯同が可能になる
1号では原則として認められていなかった「配偶者や子どもの帯同」が可能になります。家族と一緒に日本で暮らせるようになることは、外国人スタッフのモチベーション向上と、日本への定着(離職防止)に劇的な効果をもたらします。 - 企業側の「支援委託コスト」が削減される
1号の受け入れにおいて必須だった「登録支援機関への委託費用(支援にかかる月額費用など)」。これが2号になると、法律上の義務的支援が外れるため、企業側の金銭的なランニングコストが削減されます。
このように、長く働いてほしい企業側と、日本で長く暮らしたい外国人側の双方にとって、2号への移行はまさに「Win-Win」の制度と言えます。
メリットの裏にある、「自立」という難しさ
コストが下がり、優秀な人材がずっと定着してくれる。一見すると良いことずくめのように思えますが、実はここに担当者を悩ませる大きな落とし穴が潜んでいます。それが、「登録支援機関の義務的支援がなくなる=すべての事務負担と責任が『自社』に跳ね返ってくる」ということです。
特定技能1号の時代は、良くも悪くも登録支援機関が伴走してくれていました。定期的な面談、生活オリエンテーション、そして何より「在留期限の管理」や「更新時期のアラート」などを支援機関が(あるいは提携する行政書士が)手厚くフォローしてくれていたはずです。
しかし、2号への移行準備が始まると、この状況は一変します。 法律上、特定技能2号の外国人は「自立した熟練技能者」として扱われるため、国は「もう手厚い支援計画は必要ない」と判断しています。それに伴い、これまで手続きの窓口となってくれていた登録支援機関が枠組みから外れることになります。



支援機関が外れるなら、この1号から2号への『変更申請』の手続きは、自社の人事・総務で全部やらなければならないの?



その通りです。支援委託コストが浮く代わりに、入管(出入国在留管理局)が求める極めて厳格で複雑な申請書類の作成・収集を、企業担当者か外国人本人が主体となって進めなければならなくなるのです。
そして、この「自社でなんとかしよう」「コンサルなどに任せよう」という判断が、後々取り返しのつかないコンプライアンス違反(法令違反)や不許可リスクを引き起こす原因となるケースもあります。
なぜ特定技能2号の申請は「安易な自社対応」が危険なのか?
支援機関が外れるなら、「自社で書類を作るか、これまでお世話になっていた支援機関や安いコンサルタントにそのまま頼んでしまおう」。実は、この判断が企業にとってコンプライアンス違反(法令違反)リスクを引き起こす可能性があります。ここでは、「自社で行う」ことと「外部に依頼する」ことの法的な境界線について、分かりやすく整理しておきましょう。
「自社で作成する」こと自体は適法、しかし…
まず大前提として、在留資格の変更申請に必要な書類(申請書や添付資料など)を、外国人本人や受け入れ機関(企業)の担当者様が自ら作成し、申請すること自体は法律上まったく問題ありません。
しかし問題となるのは、日常のさまざまな業務に追われる中で、入管の複雑なマニュアルを読み込み、ミスのない完璧な書類を作成することが現実的に可能かどうか、という点です。
2026年施行・行政書士法改正!「非行政書士」のリスク
自社での作成が難しいからといって、無資格のビザコンサルタントや、行政書士との繋がりのない登録支援機関に「報酬を払って申請書類の作成を代行してもらう」ことは違法行為となります。これを業界では「非行政書士行為(非行)」と呼びます。
特定技能1号の際は、登録支援機関が「支援業務」という適法な枠組みの中で、企業をサポートしてくれていました。しかし、その支援枠組みから外れる「2号」においては、彼らであっても書類作成を代行することはできません。他人の依頼を受け、報酬を得て官公署に提出する書類を作成できるのは、行政書士法により行政書士などの国家資格者に限定されているからです。
さらに、2026年(令和8年)には改正行政書士法が施行され、無資格者による書類作成への罰則や排除がこれまで以上に厳格化されます。 企業側が「知らなかった」では済まされません。違法な業者に書類作成を依頼してしまった結果、不法就労助長などのコンプライアンス違反に問われ、企業名が公表されたり、今後の外国人受け入れが一切できなくなったりする最悪のケースも考えられるのです。




「更新」ではなく「変更申請」という高いハードル
もう一つ忘れてはならないのが、特定技能1号から2号への移行は、単なる期間の「更新(延長)」ではなく、在留資格そのものを変える「変更申請」であるということです。
変更申請は、新規でビザを取得する時と同じ、あるいはそれ以上に厳格な審査が行われます。入管の審査官は、「この外国人は本当に2号にふさわしい熟練した技能と実績を持っているか?」「これまで適法に日本に在留をしていたのか?」をゼロベースで厳しくチェックします。一度不許可になってしまい、その後の手続きがうまくいかずに在留期限が切れて帰国を余儀なくされるリスクもあり、安易な自社申請による「とりあえず出してみる」というスタンスは極めて危険です。
「実務経験」と「管理能力」をどう客観的に証明するか
特定技能2号への変更申請において、実務上、企業の担当者様が最も頭を抱えるのが「実務経験の証明」です。
特定技能2号になるためには、各分野の専門試験(技能測定試験など)に合格するだけでなく、現場での「実務経験」を満たしていることが、必須要件となります。そして、この実務経験の証明こそが、2号の申請が難しいと言われる理由です。
求められるのはおおよそ「班長・リーダークラス」の経験
例えば、飲食料品製造業や素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業などの分野では、単に「長年現場で作業をしていました」というだけでは2号は認められません。
求められるのは、「複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者」としての実務経験(例:2年以上など)です。つまり、現場のいち作業員ではなく、班長やライン長、リーダーとしての「管理能力」を証明しなければならないのです。
試験機関・入管を納得させる客観的証拠の提出
試験機関・入管の審査では、企業側が「彼はリーダーとして頑張っていましたよ」と口頭や任意の書面で主張するだけでは信用してもらえません。「客観的な証拠(エビデンス)」が求められます。
- 企業の組織図(その外国人がどのポジションに配置されていたか)
- 辞令や職務命令書(いつ、誰が、どのような役職・権限を与えたか)
- 具体的な業務記録や作業日報(実際に複数のスタッフを指導・指揮していた記録)
これらの書類を、審査官が見て「なるほど、これなら確かに2号の要件を満たす熟練技能者だ」と納得できるレベルで作成・収集する必要があります。さらに、過去の1号時代の活動内容との整合性も厳しく見られます。「1号の時は単純な作業しかさせていないはずなのに、いきなり2号の申請で『2年前から管理業務をやらせていた』と主張するのは矛盾していないか?」と疑われないようにもしないといけません。
スケジュール管理:支援機関がいないからこそ陥る「期限切れ」リスク
特定技能2号への変更手続きを自社で行おうとした企業が、実務経験の証明と同じくらいつまずきやすいのが「スケジュール管理」です。
「誰かが教えてくれる」という1号時代の感覚は捨てないといけません
特定技能1号の期間中は、登録支援機関が定期的な面談や報告を行っていたため、在留期限が近づけば「そろそろ更新の時期ですよ」とアラートを出してくれていました。しかし、2号への移行手続きにおいて支援機関が外れるということは、「在留期限の管理から書類準備の進行管理まで、すべて自社の人事・総務担当者が自発的に行わなければならない」ことを意味します。
担当者様は普段の採用業務や労務管理、給与計算などの通常業務を抱えているはずです。その合間を縫って、複雑な入管の要件を調べ、外国人の実務経験を証明する過去の社内資料を引っ張り出し、整合性のとれた理由書を作成する……。
「やろうと思っていたけれど日々の業務に追われ、気づけば在留期限まであと1ヶ月を切っていた!」というケースが今後起こりうるのではないでしょうか。
ギリギリの申請が招く最悪のシナリオ(不法滞在リスク)
万が一、書類の不備で受理されず在留期限を過ぎてしまった場合、その外国人スタッフは「オーバーステイ(不法滞在)」となってしまいます。また、在留期限ギリギリに申請を出せたとしても安心はできません。入管法には、期限内に申請が受理されれば審査結果が出るまで適法に滞在できる「特例期間(最大2ヶ月)」というルールがあります。しかし、もしこの特例期間中に「不許可」の通知が出てしまった場合、そこから書類を立て直して再申請する時間的猶予はほとんど残されていません。結果として、せっかく育てた優秀な人材を帰国させざるを得ないという、企業にとって最大の損失を招くことになります。
理想は「半年前からの要件確認、3ヶ月前からの書類作成」
このような事態を防ぐため、特定技能2号への変更を検討する場合は、遅くとも在留期限の「半年前」には、専門家を交えて「2号の要件(実務経験や試験合格など)を満たしているか」の事前チェックを行うことを強く推奨します。 そして、「3ヶ月前」には具体的な書類の収集と作成に着手すべきです。
初めての2号申請を自社だけでスケジュール通りに進めるのは至難の業です。だからこそ、早めに専門家である行政書士を巻き込むことが、確実なビザ取得(在留資格の取得)への最大の近道となります。
優秀な人材の定着と企業のコンプライアンスを守る「法務パートナー」として
特定技能1号から2号への移行は、企業にとっても外国人本人にとっても、「期間限定の助っ人」から「将来の永住も視野に入れた、自社の中核メンバー」へとステップアップするための制度です。
しかし、本コラムでお伝えした通り、登録支援機関のサポートが外れることによる「自社申請の高いハードル」と、無資格者に書類作成を依頼してしまう「非行政書士行為のコンプライアンスリスク」には、気をつけておいていただきたいです。
登録支援機関の皆様へ:スムーズな「バトンタッチ」をお任せください
これまで企業に寄り添ってこられた登録支援機関のご担当者様の中にも、「2号になったら自社の支援範囲外になるが、企業が自力で申請できるか心配だ」と悩まれている方が多いのではないでしょうか。無資格での書類作成代行は法令違反となりますが、「信頼できる行政書士へ企業を橋渡しする」ことは、企業と外国人双方にとって最も誠実な対応です。当事務所では、登録支援機関様からのご紹介やスムーズな引き継ぎ(バトンタッチ)も喜んでお受けしております。
実際に当事務所ではすでに、登録支援機関の方との連携で、特定技能1号から2号への変更申請等のサポートの実績があり、現在も対応を引き続き行なっております。
当初は、単なる「書類の代行屋」ではありません。 企業の人事労務担当者様の負担を減らし、各種法改正やコンプライアンス要件を遵守した上で、必要な立証書類を作り上げるサポート役として、貴社に伴走いたします。
- 「うちの外国人スタッフの実務経験で2号に行けるか、まずは一緒に判断してほしい」
- 「支援機関が外れるので、今後のビザ管理を任せたい」
- 「自社の外国人雇用のコンプライアンスを見直したい」
このようなお悩みをお持ちの企業様、または登録支援機関様は、ぜひ一度ごとう行政書士事務所にご相談ください。優秀な外国人スタッフが、安心して長く貴社で活躍し続けられる環境づくりを、申請取次行政書士が全力でサポートいたします!
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