こんにちは!福岡県福岡市博多区のごとう行政書士事務所です。
2026年(令和8年)1月23日、ついに「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(以下、ものづくり補助金)」の第21次締切の採択結果が発表されました!
これからものづくり補助金等の補助金申請を考えている事業者様にとって、最新の採択傾向を知ることは、採択への最短ルートとなります。また、今回初めてこの補助金に興味を持った方のために、「そもそも、ものづくり補助金って何?」という基本の部分も改めて解説していきたいと思います。
行政書士 後藤今回は、発表されたばかりの第21次公募の結果を分析しつつ、この大型補助金の魅力を知ることができるよう、お話ししていきます!
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【速報】ものづくり補助金 第21次公募 採択結果の分析
まずは、皆様が一番気になっている今回の「結果」から見ていきましょう。ものづくり補助金総合サイトで公表されたデータをもとに、今回の競争率や傾向を見ていきます。
申請者数と採択者数、気になる採択率は?
第21次締切(令和7年7月25日~10月24日募集)の結果は以下の通りです。
- 申請者数:1,872者
- 採択者数:638者
- 採択率:約34.1%
「えっ、3割しか通らないの?」と思われた方も多いかもしれません。
参考までに、直近の過去回と比較してみましょう。
第20次:申請 2,453者 / 採択 825者(採択率 約33.6%)
第19次:申請 5,336者 / 採択 1,698者(採択率 約31.8%)
第18次:申請 5,777者 / 採択 2,070者(採択率 約35.8%)
ここ数回の傾向を見ると、採択率は30%台前半~半ばで推移しており、非常に狭き門となっています。かつては採択率が50%を超える時期もありましたが、現在は「しっかりと作り込まれた計画でないと通らない」厳格な審査が行われていることが数字からも読み取れます。
申請枠別の内訳
ものづくり補助金では、申請枠が大きく2つに分かれています。その枠別の数字も見てみましょう。
製品・サービス高付加価値化枠
- 申請者数:1,767者
- 採択者数:615者
- 採択率:約34.8%
グローバル枠
- 申請者数:105者
- 採択者数:23者
- 採択率:約21.9%
圧倒的に多くの事業者が「製品・サービス高付加価値化枠」に申請しています。一方で、海外展開などを目指す「グローバル枠」は、採択率が約22%とさらに厳しい結果となりました。
採択事例から読み解く、「勝てる」事業計画のトレンドとは?
34%という採択率の中、見事採択された638社は、一体どのような計画を立てたのでしょうか?公表された「採択者リスト」を分析し、特徴的なトレンドと注目の事例をご紹介します。
① 【建設・建築・土木】人手不足解消と「ICT施工」
建設・土木業界では、3Dスキャナ、ドローン、ICT建機といったデジタル技術を導入し、測量や施工の効率化を目指す計画が多数採択されています。
「UAVとSLAMを活用した高精度な3Dデータ治山測量の開始」(熊本県・株式会社旭技研コンサルタント様)
「ICT建機導入による施工効率化・生産性向上事業」(岡山県・株式会社宰務組様)
人手不足が深刻な業界だからこそ、「デジタル技術で省人化を図る」「危険な作業を機械化する」というストーリーは、審査員にとっても説得力が高いと言えます。
② 【医療・歯科】「デジタル化」による高度医療へのシフト
歯科医院や動物病院による申請も目立ちます。キーワードは「デジタル化による短納期化」や「高度医療の提供」です。
「デジタル義歯を新規開発、従来義歯より高品質化・短納期化を実現」(大阪府・dental BioVISION株式会社様)
「CT導入による高度噛み合わせ治療の実現」(三重県・内原歯科様)
特に歯科技工分野では、3DプリンタやCAD/CAMを用いた「デジタルデンチャー(義歯)」の製作体制構築がトレンドとなっています。
③ 【食品製造・加工】「冷凍技術」と「フードロス削減」
食品業界では、急速冷凍機の導入による販路拡大や、SDGs視点の事業が評価されています。
「高速特殊冷凍庫の導入による高利益率の新商品開発と年休取得促進」(北海道・株式会社パールモンドール様)
「フードロス削減、規格外魚活用の干物食品製造事業」(岩手県・株式会社大力水産様)
店舗での提供だけでなく、「冷凍して全国・世界へ届ける」というビジネスモデルの転換は、ものづくり補助金の王道パターンの一つです。
④ 【EC・販路開拓】単なる通販ではない「特化型システム」が鍵
「ものづくり補助金=機械設備」というイメージが強いですが、実はECサイト(ネットショップ)の構築も、革新的なサービス開発であれば対象になります。 今回の採択リストの中で、非常に興味深い事例がありました。
「超臨界CO2でカフェイン調整珈琲に特化したECサイトの開発」(宮城県・ストーリーライン株式会社様)
単に「コーヒーを売るサイトを作ります」ではなく、「超臨界CO2抽出」という高度な加工技術や専門性と、それを販売するための「特化型ECシステム」を組み合わせている点がポイントです。 また、他の事例でも「ECサイトを活用した全国的な販路拡大(福岡県・岩永産業株式会社)」や、「越境ECの構築(富山県・株式会社トンボ飲料)」といった案件が採択されています。ものづくり補助金でECサイトを目指すなら、単なるホームページ作成ではなく、「自社の強み(技術や商品力)× 新たな販売システム」という組み合わせが重要だと言えます。
そもそも「ものづくり補助金」ってどんな補助金?
トレンドが見えたところで、基本に立ち返ってみましょう。 ものづくり補助金は、製造業だけでなく、小売業、サービス業、建設業など幅広い業種で使える非常に汎用性の高い補助金です。
補助金の目的:「革新的な取り組み」を応援!
中小企業・小規模事業者が、働き方改革や賃上げなどの制度変更に対応するために行う、「革新的な製品・サービスの開発」や「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備投資等を支援するものです。
要するに、「新しい機械やシステムを入れて、今までにない新商品を開発したい!」「生産ラインを自動化して、ものすごく効率よく製品を作れるようにしたい!」 といった、会社の成長につながる攻めの投資にお金を出してくれる制度です。
対象となる経費:設備投資がメイン
今回の採択事例を見てもわかる通り、主な対象経費は「設備投資」です。
- 機械装置・システム構築費(これが必須となります)
- 工作機械、建設機械、食品加工機械など
- ECサイト構築、専用システム開発費
- 技術導入費(特許のライセンス料など)
- 専門家経費(コンサルティング費用など)
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費(試作開発に必要なもの)
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
グローバル枠を利用する際は、海外市場開拓に関する事業のみ、下記の内容も対象となります。
- 海外旅費
- 通訳・翻訳費
- 広告宣伝・販売促進費
補助金額と補助率
ものづくり補助金の魅力は、その金額の大きさです。
• 補助上限額:750万円 ~ 4,000万円(従業員数や枠組みによる)
• 補助率:中小企業は1/2 、小規模企業・小規模事業者・再生事業者は2/3
例えば、1,500万円のシステムや機械を導入する場合、補助率2/3であれば1,000万円が補助され、自己負担は500万円で済みます。小規模な小売店が新商品向けの機械の導入とECサイト構築で売上を150%アップさせた事例などもあり、投資対効果の高い補助金といえます。
採択されるための「必須要件」
ただし、ただ「機械や装置が欲しい」だけでは採択されません。以下の要件を満たす事業計画を策定する必要があります。
補助事業終了後、3〜5年の事業計画期間において下記の要件を満たすこと。
※より詳細な要件はありますが、ここでは簡略化して説明します。
- 付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を、年率平均3%以上増加させること。
- 給与支給総額を、年率平均2%以上増加させること。
- 事業場内最低賃金を、地域別最低賃金+30円以上の水準にすること。
つまり、「国が投資を助ける代わりに、しっかり利益を出して、従業員の給料も上げてくださいね」という約束をするわけです。
第21次採択結果から見るポイント
今回の結果(採択率34.1%)を受けて、これから申請を目指す皆様にこれだけは伝えておきたいポイントを整理しました。
① 「流行り」に乗るだけでなく、「自社の強み」との掛け合わせを!
今回のリストでは「AI」関連の採択も見られました。しかし、単に「AI導入します」では差別化になりません。 先ほどの事例のように、「超臨界CO2技術 × EC」や、「伝統発酵 × 家庭用キット(香川県・合同会社入江こうじ製造所様の事例)」のように、地域資源や自社の独自技術に、新しい技術や販売方法を掛け合わせている事業が評価されています。「よそがやっているから」ではなく、「自社だからこそやる意味がある」ストーリーを描くことが重要です。
② 「高付加価値化」への具体性
申請枠の名前にもなっている「高付加価値化」。これは単に値段を高くすることではありません。 例えば、北海道の「株式会社和三味」様は、「先進繁殖技術を導入し、和牛凍結受精卵の新規開発事業」で採択されています。これは従来の畜産に対し、技術力で圧倒的な付加価値を上乗せする取り組みです。「誰に」「どんな新しい価値を」提供するのか、具体的であればあるほど審査員の心に響きます。
③ 専門家の活用がカギ
採択率3割台という厳しい競争の中で、自社だけで完璧な事業計画書を作成するのは非常にハードルが高いのが現実です。今回の採択者リストを見ると、多くの企業が「認定支援機関」や専門家のサポートを受けていることが推測されます。 私たち行政書士のような専門家は、単に書類を代筆するだけでなく、「社長の頭の中にあるアイデア」を「審査員に伝わる論理的な文章」に翻訳する役割を担っています。
ものづくり補助金は、未来の投資として最適な補助金です
第21次公募の結果発表は、多くの事業者にとって「次への挑戦」の合図でもあります。 今回ご紹介したように、建設業や食品製造業はもちろん、ECサイト構築などのシステム投資でも、革新性があれば採択のチャンスは十分にあります。
ものづくり補助金は、確かにハードルの高い補助金ですが、採択された時のインパクトは絶大です。 新しい機械やシステムが入ることで現場の効率はもちろん、従業員の士気が上がり、新商品が売れることで売上が伸び、その結果として従業員の給料も上げられる。そんな好循環を生み出すきっかけになります。
ごとう行政書士事務所では、福岡・熊本・大分を中心に全国で、ものづくり補助金を含む様々な補助金の申請サポートを行っております。「うちの業種でも使えるの?」「こんな内容は補助金の対象になる?」そんな素朴な疑問からでも構いません。まずは一度、お気軽にご相談ください。
今後コラムでは、ものづくり補助金の申請に必要な「具体的な書類」や「審査項目」について、さらに深掘りして解説する予定です。お楽しみに!
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