こんにちは!ごとう行政書士事務所の後藤です。
今回は、中小企業の皆様にとって、「第2の創業」とも言える大きなチャンスとなる補助金についてご紹介します。
昨今、物価高騰や人手不足、そして急速に変化する市場環境の中で

今の事業一本だけで、この先10年、20年と会社を維持していけるだろうか?
という不安を感じている経営者様も多いのではないでしょうか。
「新しい分野に挑戦したい」
「これまで培った技術を活かして、全く違う市場に打って出たい」
そんな熱い想いを持ちながらも、現実に目を向ければ、新規事業の立ち上げには莫大な初期投資が必要です。工場を建てる、新しい機械を入れる、システムを構築する。数千万円規模の投資が必要となり、「失敗したらどうしよう」と二の足を踏んでしまうのは当然のことだと思います。
しかし、そんな前向きな挑戦を国が全力でバックアップしてくれる補助金が、今動いていることをご存知でしょうか?
その名も、「中小企業新事業進出補助金」と言います。
名前が少し長いですが、この補助金、なんと最大で9,000万円(※特例適用時)という、これまでの常識を覆すような規模の支援が受けられる制度なんです!今回から複数回の連載を通して、この超大型補助金について解説していきます。第1回目となる今回は、まずこの補助金が「一体どんなものなのか」、そして「どれほどのインパクトがあるのか」について、お伝えします。
「うちの会社も新しい挑戦ができるかもしれない!」と思っていただけると幸いです!
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そもそも「中小企業新事業進出補助金」ってどんな補助金?
まず、この「中小企業新事業進出促進補助金」がどのような制度なのか、その根本的な目的と仕組みについて解説します。


既存事業とは異なる「新事業」への進出を支援
この補助金最大の特徴は、名前の通り 「新事業進出」 に特化している点です。単に「古くなった機械を入れ替える」とか「既存製品を増産する」といった投資は対象になりません。求められているのは、「既存事業とは異なる事業への前向きな挑戦」 です。
具体的には、これまで手掛けてこなかった新しい製品やサービスを開発し、これまでとは異なる新しい市場(顧客層)に向けて提供していくような取り組みが対象となります。 例えば、
- 自動車部品を作っていた工場が、その技術を応用して医療機器部品の製造に乗り出す
- アプリ開発会社が、地域の特産品を扱うECサイト運営という全く新しい商流を作る といったように、企業のあり方を大きく広げるような挑戦が求められます。
国の目的は「企業規模拡大」と「賃上げ」の好循環
国がなぜ、これほど手厚い支援を行うのかというと、中小企業がリスクを取って新市場や高付加価値事業に進出することで、「企業規模の拡大」と「付加価値(利益)の向上」を実現し、それによって得られた原資を従業員の「賃上げ」に還元していく、という好循環を生み出すことを狙っているからです。
つまり、この補助金は単なる設備投資の補助ではなく、「会社を成長させ、従業員を豊かにする」ための経営改革プロジェクトそのものに対する支援だと言えます。
現在の公募状況
本コラム執筆時点では、第3回公募が実施されています(公募期間:令和8年2月17日~3月26日)。すでに第1回公募については採択者も発表されており、多くの意欲ある企業がこのチャンスを掴んで新たなスタートを切っています。
第3回の締切まではまだ時間があるように思えますが、これだけの大型補助金ですから、事業計画の策定には相応の時間がかかります。個人的なおすすめではありますが、これから本補助金について考えるという方は、次回の申請までしっかりと計画を立てて進められるのが良いかもしれません。
他の補助金とは桁が違う!中小企業が本気で勝負するための予算規模
次に、皆様が一番気になるであろう「お金」の話です。この補助金の最大の魅力は、なんといってもその補助上限額の大きさにあります。
従業員数に応じた補助上限額
補助金の上限額は、会社の規模(従業員数)によって段階的に設定されています。基本的な枠組み(通常枠)と、大幅な賃上げに取り組む場合の「特例(賃上げ特例)」適用時の上限額を見てみましょう。
| 従業員数 | 通常の補助上限額 | 賃上げ特例適用時の上限額 |
|---|---|---|
| 20人以下 | 2,500万円 | 3,000万円 |
| 21人~50人 | 4,000万円 | 5,000万円 |
| 51人~100人 | 5,500万円 | 7,000万円 |
| 101人以上 | 7,000万円 | 9,000万円 |
従業員20人以下の小規模な事業者様であっても、特例を使えば最大3,000万円。100人を超える規模の企業様なら最大9,000万円です。下限額も750万円から設定されており、これはつまり「数百万円程度の小規模な投資ではなく、最低でも1,500万円(補助率1/2の場合)以上の大きな投資を行う事業者を対象にしている」というメッセージでもあります。
補助率は1/2
補助率は一律で1/2です。総額1億円の投資を行う場合、その半分の5,000万円が戻ってくる計算になります。自己負担額も大きくなりますが、その分、これまでの補助金では実現できなかったような大規模な設備導入や建物の建設が可能になります。
他の経産省・中小企業庁系補助金との比較
ごとう行政書士事務所でもよくサポートさせていただいている「小規模事業者持続化補助金」は、通常枠の上限が50万円(特例で最大250万円)です。これは販路開拓のためのチラシやHP制作には非常に使い勝手が良いですが、工場を建てたり、高額な産業機械を導入するには足りません。
また、「ものづくり補助金」も上限額は通常750〜3,000万円程度(枠によりますが)です。 これらと比較すると、今回の「中小企業新事業進出促進補助金」がいかにスケールの大きい投資を想定しているかがお分かりいただけると思います。まさに、社運を賭けた「第2の創業」にふさわしい規模感なのです。
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活用イメージ ~「建物費」も対象!大胆な投資計画が描ける~
では、具体的にこの補助金を使って何ができるのでしょうか?
実は、「補助対象経費」の範囲が広いことも、この補助金の大きな特徴です。
特に注目すべきは、対象に「建物費」が含まれている点です。
① 建物費
多くの補助金では、建物の建設費や撤去費用は対象外とされることが多いのですが、この補助金では「機械装置・システム構築費」または「建物費」のいずれかが必須の経費として設定されています。 つまり、
- 新事業のための工場の新築
- 新たなサービス提供のための店舗の大規模改修
- 事業実施に不可欠な建物の撤去費用(上記の建設・改修とセットの場合のみ)
などが対象になります。「新しい事業を始めたいけど、場所がない。工場を建てる資金がない」と諦めていた方にとって、これはまたとないチャンスです。
② 機械装置・システム構築費
もちろん、機械やシステムの設備投資もメインの対象です。
- 新製品製造のための専用機械装置の購入
- 新たなサービスを展開するための専用ソフトウェア・情報システムの構築
また、それらの運搬・据付費用 なども対象です。単なる既存設備の更新(入れ替え)は対象外ですが、新事業のために必要なスペックを備えた新たな設備の導入であれば認められます。
③ その他の経費
さらに、メインの設備投資に付随して、以下のような経費も幅広く対象となります。
- 広告宣伝・販売促進費: 新事業の認知度を高めるためのパンフレット作成、Webサイト構築、展示会出展など。(別途細かい上限額の規制あり)
- 外注費: 専門的な加工や設計の一部を外部に委託する費用。(別途細かい上限額の規制あり)
- クラウドサービス利用費:補助事業に使用するクラウドサービスの費用(PC・スマホなどの端末費用はNG)
- 専門家経費: 新分野進出にあたり、大学教授やコンサルタント、士業などから指導を受ける費用。(上限100万円)
- 技術導入費: 特許権のライセンス料など。
- 知的財産権等関連経費: 新開発した製品の特許出願費用など。
このように、「ハコモノ(建物)」から「設備(機械・システム)」、「ソフト(広告・知財)」に至るまで、新事業の立ち上げに必要な経費をトータルで支援してくれる仕組みになっています。
活用イメージ:第2の創業を目指して
例えば、以下のようなストーリーが描けます。


ケースA(製造業)
これまで自動車エンジンの部品を作っていたが、EV化の波を見据え、自社の精密加工技術を活かして「航空宇宙産業」へ参入したい。
【補助金活用】 専用のクリーンルームを備えた新工場の建設費(建物費)と、航空機部品加工用の最新マシニングセンタ(機械装置費)に補助金を活用。


ケースB(飲食・サービス業)
店舗での飲食提供がメインだったが、自社のブランド力を活かした「冷凍食品の製造・通販事業」を新たに立ち上げたい。
【補助金活用】 セントラルキッチンの改修工事(建物費)、急速冷凍機の導入(機械装置費)、ECサイトの構築・Web広告費(システム構築費・広告宣伝費)に活用。
まさに、会社の未来を大きく変えるような投資に最適といえますね。
大きなチャンスですが、要件は複雑。まずはご相談を!
「中小企業新事業進出促進補助金」は、最大9,000万円という圧倒的な支援規模で、皆様の新たな挑戦を後押しする制度です。「建物が建てられる」「大規模な設備投資ができる」というのは、経営者にとって夢のような話に感じる方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、正直に申し上げますと、「金額が大きい分、申請のハードルも高い」のが現実です。 ただ書類を書けば通るというものではありません。「新事業の定義」に合致しているか、「賃上げ要件」をクリアできるか、「市場の新規性」を客観的に証明できるかなど、クリアすべき課題は山積みです。生半可な計画では、採択を勝ち取ることは難しいでしょう。
ですが、諦める必要はありません。ごとう行政書士事務所は、これまでの補助金申請サポートで培った経験・ノウハウと、「集客支援・経営支援」の視点を掛け合わせ、単に審査に通るためだけでなく、「本当に事業が成長し、売上が上がる」ための事業計画づくりを全力でサポートいたします。
「うちの新しいアイデアは対象になるのかな?」
「賃上げ要件って、具体的にどうすればいいの?」
「大規模な投資を成功させるために、本気で計画を練りたい!」
そんな疑問や熱意をお持ちの方は、ぜひ一度、当事務所までご相談ください。この大きな波に乗って、御社の新たな歴史を一緒に作り上げましょう!
次回は、「中小企業新事業進出促進補助金」の必須要件について解説予定です!
「うちは対象外かも…」と自己判断する前に、必ず知っておくべき「対象外のライン」や「必須の数値目標」について、わかりやすく解説します。お楽しみに!
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