
要件は何とか満たしていそうだけど、結局何を準備すればいいの?



役所に出す書類って、コピーでいいの?原本が必要?
前回のコラムでは、資金証明や営業所の実態といった「カネ」と「モノ」の要件について詳しくお話ししました。これで許可取得に必要な柱の全体像が見えてきたかと思います。建設業許可の連載コラム基礎編の締めくくりとなる今回は、「書類作成と申請実務」についてです。福岡県で申請する際に必要となる具体的な書類リスト(参考例)や手数料、そして申請窓口について、注意点を整理して解説します。
(参考)「必要書類」の全体像
建設業許可の申請書類は、大きく分けて「法定書式(申請書等)」と「添付書類(裏付け書類)」の2種類があります。福岡県のチェックリストに基づくと、主なものは以下の通りです。
多くの申請者にとって必要な提出書類(法定様式など)
- 建設業許可申請書(様式第1号)
- 役員等の一覧表(様式第1号別紙1)※法人の場合
- 営業所一覧表(様式第1号別紙2(1))
- 営業所の写真提出用台紙
- 営業所技術者等一覧表(様式第1号別紙4)
- 工事経歴書(直近1年分)(様式第2号)
- 直前3年の工事施工金額(様式第3号)
- 使用人数(様式第4号)
- 誓約書(欠格要件に該当しないことの証明)(様式第6号)
- 常勤役員等(経管)および営業所技術者の証明書・略歴書(様式第7号・第8号)
- 健康保険等の加入状況(様式第7号の3)
- 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書(様式第12号)
- 財務諸表(貸借対照表・損益計算書など)
- 定款(法人の場合)
- 登記事項証明書(法人の場合)
- 営業の沿革(法人の場合)(様式第20号)
- 所属建設業者団体(法人の場合)(様式第20号の2)
- 主要取引金融機関名(法人の場合)(様式第20号の3)
- 納税証明書(法人事業税または個人事業税)
- 登記されていないことの証明書・身分証明書(役員等全員分)
- 500万円以上の預金残高証明書(発行から1ヶ月以内)
- 健康保険の加入を証する書類(標準報酬決定通知書など)
社会保険への加入が「必須要件」です
2020年(令和2年)10月の法改正により、適切な社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)への加入が許可の要件となりました。
もし未加入の保険がある場合、原則として許可を受けることができません。申請時には「健康保険等の加入状況(様式第7号の3)」を提出し、保険料の領収書や標準報酬決定通知書などで適正に加入していることを厳格に証明する必要があります。
雇用保険と労災保険は、労働者を雇用する建設業者全てが加入義務、
医療保険と厚生年金については、常用労働者が5名以上/5名未満のところで対応が異なってきます。
営業所の「写真」が結構重要になってきます。


Vol.4でもお伝えした通り、福岡県の審査では営業所の実態が写真で厳しくチェックされます。もともとコロナ禍前は現地調査を実施していましたが、令和4年3月以降原則廃止し、書面審査のみとなっています。そこで営業所の確認資料として、写真の提出が重要な要素となってきました。
令和7年10月より「写真の提出」については新しい様式での提出が必要となり、新規申請・業種追加申請・更新申請・営業所の所在地変更の届出がその対象となります。
以下の4点を、看板や什器備品がはっきり確認できるように撮影し、専用の台紙に貼付して提出する必要があります。
- 建物の外観全景
建物の正面から建物全体が映るように撮影。
また、建物外部に業者名や営業所名を表示した看板がある場合は、その看板も含めます。 - 入口付近
入り口、看板、表札、郵便受けなどが一枚に写るようにするのが望ましいです。
また、風雨で簡単に剥がれるような紙を貼り付けた看板は認められません。 - 内部全景
「事務室の入り口から対角線の方向に見渡す写真」「それとは異なる方向から全体を見渡す写真」の2枚が最低必要。そして、常勤を要する従業員全員分の事務机があることがわかるように撮影。 - 営業所内部その1
来客用の応接スペースをアップで撮影。 - 営業所内部その2
事務机、椅子、電話機、パソコン、プリンター(複合機)、各種台帳など、主要な事務用品が写るように事務スペースをアップで撮影。固定電話も映るように撮影。 - 郵便受け(オフィスビルやマンション内の場合に必要)
共用部分の郵便受けの写真を追加で提出。営業所名が明記されていることがわかるように撮影。 - 営業所案内(テナント入居などの場合に必要)
オフィスビルなどにテナントとして入居している場合に追加で写真を提出。エントランスやエレベーターなどの共用部分に、営業所の案内が掲示されていることがわかるように撮影。 - 平面図(自宅兼営業所の場合)
自宅兼営業所の場合、住居の平面図を提出。建物の入り口から営業所として使用する部屋までの動線を矢印で示す必要があります。その他、生活部分と営業所が明確に区分されているように示す必要があります。 - 建設業の許可票(新規申請の場合は不要ですが、既に許可がある場合は必須)
建設業許可票が、営業所の来客者等に見えやすい場所に掲示されているのがわかるように撮影。さらに、申請日現在の建設業の許可の状況が正確に記載されていることがわかるようにアップでも撮影。
申請手数料と納付方法
福岡県知事許可を申請する場合の手数料は以下の通りです。
新規許可(一般・特定いずれか):90,000円
許可の更新・業種追加:50,000円
福岡県では、これまでの「福岡県領収証紙」による納付に加え、クレジットカードやPayPay等によるキャッシュレス納付も可能になっています。ただし、証紙で購入した後の返金・交換は原則できないため、窓口で書類の最終確認を受けてから購入することをお勧めします。
福岡県内の申請窓口(土木事務所)
主たる営業所の所在地によって、申請先となる県土整備事務所が異なります。福岡県では「主要4事務所」と「一般事務所」で提出部数が異なる点に注意してください。
- 主要事務所(2部提出:正本1・副本1) 福岡、北九州、久留米、飯塚の各県土整備事務所
- 一般事務所(3部提出:正本1・副本2) 直方、京築、朝倉、八女、田川、那珂、南筑後の各県土整備事務所
※副本はコピーでも可能ですが、公的な証明書(納税証明書など)が含まれるため、不備がないよう準備しましょう
建設業許可申請、少しでも大変だと思ったらご依頼ください
建設業許可申請はオンライン申請もスタートしましたが、以上の通り必要書類が数多くあるため事前確認が大切になってきます。すると何度も役所へ足を運ぶことになり、結果として時間がかなりかかってしまうという事態を招きかねません。
福岡県知事許可の場合、申請が受理されてから許可通知が届くまでの標準処理期間は、新規・追加で約2ヶ月です 。この「2ヶ月」はあくまで役所の審査期間であり、その前の書類準備にはさらに数週間から1ヶ月程度かかるのが一般的です。
- 「どの書類が自分たちのケースに必要なのか、整理しきれない」
- 「忙しくて役所へ行く時間が取れない」
- 「できる限り早く許可を取りたい」
そのような時は、ぜひ弊所へご相談ください。複雑な書類作成から写真の撮り方、窓口への申請代行まで、安心してお任せいただけるようトータルでサポートいたします。
これで「建設業許可コラムの基礎編」は終了です!
また別の機会に、許可後に必要となる「決算変更届」や「更新手続き」など、許可を維持するための運用・管理編をお届けします。お楽しみに!
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