多面的機能支払交付金の種類と支援内容を整理!活動ごとの違いと対象例を紹介
こんにちは!ごとう行政書士事務所の後藤です!
前回のコラムでは、「多面的機能支払交付金とはそもそも何なのか?」という制度の成り立ちや、背景についてお話ししました。今回はその続きとして、「実際にこの交付金ではどんな活動が対象になるのか?」という具体的な中身に踏み込んでいきます。
「うちは水路の泥上げをしてるけど、それは対象?」「田んぼのあぜの草刈りってどうなの?」「ため池の整備もできる?」こうした素朴な疑問に、なるべくかみくだいて、答えていきます。
また、交付金は1種類じゃなく、いくつかの支援枠組みがあるという点も、実は大事なポイントです。それぞれの活動に応じて、申請の枠や条件などが変わってくるので、仕組みを正しく理解しておくことで、制度をスムーズに使えるようになります。
そして今回は、「書類が多くて大変そう……」と感じている方向けに、行政書士などの専門家に委託できる範囲についても、お話しします。「なんだ、そこまでお願いできるんだ!」と思っていただけるはずです!
\多面的機能支払交付金について、ぜひご相談ください!/
多面的機能支払交付金は大きく3つに分かれる
多面的機能支払交付金には、実は「3つの柱」があります。どれか1つだけを使う地域もあれば、組み合わせて活用している地域もあります。それぞれの特徴を簡単にご紹介します。
【1】農地維持支払交付金
これは、もっともこの交付金の中でも中心となるものです。農地や水路、農道などの「地域資源」を守るための基礎的な保全活動に使えます。

- 田畑のあぜの草刈り(法面管理)
- 水路の定期的な泥上げ
- 農道のぬかるみ整備や簡易舗装
- 雑木や竹の伐採
- 獣害防止柵の点検・補修
- 年度ごとの活動計画の作成
- 地区内での研修会・安全講習の実施
これらのように、地域で農業を続けていくうえで「まず必要」とされる作業が対象になります。
支援の対象となる組織は、農業者のみの構成でも、農業者とその他の地域の方などで構成される組織でも、大丈夫です。
【2】資源向上支払交付金(共同活動)
こちらは、保全活動に加えて、「地域資源の質をさらに高めていこう」という目的の支援です。より広い意味での地域づくりや、農村環境の保全につながる活動が対象になります。


- 外来種(セイタカアワダチソウ等)の駆除活動
- 生き物調査やモニタリングの実施
- 農村景観を守るための美化清掃や花壇整備
- 小学生向けの農業体験イベント
- 地域内での防災訓練や水害対策演習
- 農地と道路の間に安全ゾーンを作る作業
- 棚田を活かした観光資源づくり
この部分になると、農業者だけでなく地域住民や団体との連携が期待されるケースも出てきます。
また、令和7年度からは「活動支援班(複数集落をまたいで支援する班)」や「水管理による環境負荷の低減」なども対象に加わっています。
【3】資源向上支払交付金(施設の長寿命化)
農村インフラの中でも特に傷みが進みやすい「農道」「排水路」「ため池」などの施設。それらを安全に長く使うための補修・更新に対応するのが、この「長寿命化」です。先ほどの【2】資源向上支払交付金(共同活動)でも一部の補修はできるのですが、より抜本的な対策を講じることができるのがこちらの枠組みとなります。

- コンクリート水路の割れ目補修・U字構造への切り替え
- 農道の再舗装、段差解消、排水整備
- 老朽化したため池の補強工事
- 樋門・ゲート・バルブの交換や修繕
- 点検記録や施設カルテの作成・保管
施設の維持管理は手間もお金もかかるところなので、この支援をうまく使えば、地域の負担をぐっと軽くできます。
このように、交付金には「基礎を守る」「機能を高める」「施設を長く使う」の3方向があります。これらを「うちの地域ではどこまでやれるか?」に応じて組み合わせて申請することもできます。
必要な書類はどうなってるの?
多面的機能支払交付金を活用するうえで、どうしても避けて通れないのが「書類の提出」です。とくに「まずはじめてみたんだけど、そのあとの報告が大変だった…」という声は多く聞かれます。
でもご安心ください!書類の全体像や、どのタイミングで何が必要かをあらかじめ把握しておくこと、そして専門家に任せてしまうことで活動に集中することもできますよ。ここでは、活動の種類ごとに必要になる主な書類を整理してみましょう。
初年度に必要な書類(スタート時に出すもの)
活動を始めるには、まずは組織を設立した上で、「こんな活動をやります」という計画を市町村に提出します。
これが、交付金の入口となる書類です。
- 事業計画書
- 活動計画書(実施する作業の内容・月別予定など)
- 活動組織規約:活動組織の取り決め(役員や会計方法など)
- 工事に関する確認書(必要な場合)
- 長寿命化整備計画書(必要な場合)
これらは一度提出すれば、基本的には5年間有効ですが、途中で内容に変更があった場合は「変更届」を出す必要があります。
毎年提出する書類(実績報告)
活動が終わったあとには、「こんなことを実際に行いました」という報告が必要です。
- 様式第1-6号:活動記録(作業日・内容・担当者などを記録)
- 様式第1-7号:金銭出納簿(交付金の使い道を記載)
- 様式第1-8号:実施状況報告書(写真・会議資料・残金など)
- 活動写真:証拠として写真が必要です
- 通帳の写し:交付金の入金・出金の確認用
- 総会資料・総会議事録
書類作成が負担なら、専門家に頼って代行・サポート・事務委託してもらうことも!

「交付金はありがたいけど、書類が多すぎて大変……」



作業と両立できなくて、やめようかと迷っている
そんな声は、実際によく聞きます。特に、事務作業が得意な方が引退したり、若い担い手が少なかったりすると、
組織としての継続すら難しくなってしまうケースもあると聞いています。
でも、あきらめるのはまだ早いです!
実はこの制度では、事務作業の一部を外部に委託(代行・外注)することが認められています。
専門的な書類づくりや、提出までの整理・準備などは、行政書士などの専門家がしっかりサポートできます。
実際に委託できる業務の例
- 事業計画書・活動計画書の作成補助
- 活動記録の整理、実施状況報告書の作成支援
- 金銭出納簿のチェックやまとめ
- 領収書・通帳写し・写真の整理と管理
- 総会資料(活動報告・決算書・予算案など)の作成
- 市町村との書類確認・やりとりの補助 など
このように、申請のスタートから報告まで、かなりの部分を行政書士がサポートできます!
ごとう行政書士事務所ができること
当事務所では、農家の皆さまが本業はもちろん、多面的機能支払交付金に関する事業に集中できるよう、「計画」「記録」「報告」の各フェーズで、必要な書類作成をしっかりサポートしています。
- はじめて制度を利用する方への計画立案支援
- 書類の整備とスケジュール管理の代行
- 提出前のチェック・修正提案
- 写真や議事録などの整理方法のアドバイス
「どこまで頼めるの?」「この活動は対象になるの?」といったご相談だけでもOKですので、「事務が不安だからやめようかと思っていた」という方こそ、お気軽にご連絡ください。
多面的機能支払交付金は、地域の農地や暮らしを守るための大切な制度です。制度そのものが難しく感じても、書類で悩みすぎる必要はありません。使いやすくする方法を知り、無理のない体制をつくっていけば、もっと続けやすくなるはずです!
\多面的機能支払交付金について、ぜひご相談ください!/

