【第6回】小規模事業者持続化補助金「ホームページ制作費」の落とし穴

小規模事業者持続化補助金、ホームページ制作費の落とし穴──ウェブサイト関連費の扱いと、採択のために押さえるべきポイント

目次

ホームページ制作は補助対象になる?ならない?

こんにちは!ごとう行政書士事務所の後藤です。

小規模事業者持続化補助金<一般型>では、広告宣伝や販促の一環として、ホームページの新規制作やリニューアルを補助対象とすることが可能です。実際、多くの事業者がウェブサイトの立ち上げや改修を通じて、新たな顧客層へのアプローチや商品・サービスの認知向上を目指しています。

しかし、「WEBページ制作費は、持続化補助金の中でも制限がある」というのはご存知でしょうか?実際に申請書類を見てみると、ホームページに関する支出については、補助対象の中でも特に制限や要件が細かく設定されている項目の一つであることがわかります。

本コラムでは、ホームページ制作を補助対象とする際に見落としがちなルールや、採択のために押さえるべき計画の立て方について、実際の制度内容に基づいて段階的に解説していきます。

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ウェブサイト関連費は「独立した取り組み」としては認められない

持続化補助金の第17回公募要領では、ホームページ制作や改修にかかる費用は「ウェブサイト関連費」として分類されていますが、注意すべきなのはその取扱いに関する次の一文です。

ウェブサイト関連費のみを補助事業の取組内容とする申請は、補助対象となりません。

これはつまり、「ホームページを作ること自体」を主たる目的とする申請は認められないという明確なルールです。補助金は、あくまで「販路開拓等」のための取り組みに対して交付されるものであり、ウェブサイト制作はその中の“手段の一部”として位置付けなければならないとなっています。

過去、WEB制作会社が実態に合わない金額でWEBページを制作し、受注金額をキックバックするなどの不正が横行したことがあります。そういった不正の温床になりがちだったため、引き締めが強くなっているのではないかと推測できます。

たとえば、「新しくECサイトを立ち上げて商品を売りたい」「古いホームページをリニューアルしたい」という計画であっても、それだけでは不十分です。申請が通るためには、そのウェブサイト制作が、どのように販路拡大に寄与し、具体的な成果につながるかを申請書で丁寧に説明する必要があります。

また、ウェブサイト関連費が含まれていたとしても、そのウェブサイト関連費の補助額が、全体の補助額の4分の1以下になっていないといけない、というルールがあります。

持続化補助金一般型で特例などを使用せず、
補助額最大50万円の方がウェブサイト関連費をフルに活用したいとき

ウェブサイト関連費 補助額最大125,000円:187,500円の経費
その他の経費 補助額最大375,000円:562,500円の経費

※その他の経費の額が減少すると、ウェブサイト関連費に使用できる額も合わせて減少します。ウェブサイト関連費の補助額をフル活用するためには、その他の経費を最低でも562,500円計上する必要があります。

補助対象になるホームページ制作とは?〜明確な目的と設計がカギ〜

ウェブサイト制作が補助対象となるためには、ただ「作りたい」「古いから更新したい」といった理由では不十分です。補助金制度の基本である「販路開拓等に資する取り組み」であることを、計画の中でしっかりと説明する必要があります。

ポイントは、「何を目的に、どのような効果を狙ってホームページを制作するのか」が明確であることです。
たとえば、次のようなケースであれば補助対象として認められる可能性が高くなります。

  • 新商品の発売に合わせて、商品ページを新設し、ターゲット層へ訴求する
  • BtoB営業が中心だった会社が、一般消費者向けにEC機能を導入し新市場に参入する
  • 既存顧客に向けた予約システムを導入し、利便性を高めることでリピート促進を狙う

いずれも「売上拡大」「新規顧客の獲得」「リピーターの増加」などの販路開拓につながる目的とストーリーが明確であり、その一環としてホームページを活用している点が共通しています。

また、制作内容については「構成」や「掲載内容」も含め、誰に、何を、どのように伝えるのかを明文化しておくことが重要です。審査する側にとっては、どのようなページが、どのような役割を担っているのかが見えなければ、「単なる見た目のリニューアル」とみなされてしまい、減点の要因になりかねません。

事業者として「自社がなぜホームページを必要としているのか」を改めて言語化することが、申請書作成の第一歩となります。

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専門家との連携で「補助対象となるホームページ制作」に落とし込む

ホームページ制作を補助対象に含める場合、制度上の制限が多いことから、「申請が通るような構成に練り直す」という視点が欠かせません。特に、制作費だけを主軸に置いた計画では、制度の趣旨にそぐわないとして不採択になるケースが増えています。

こうしたなか当事務所では、制度のルールを踏まえながら、集客全般の制度設計の計画を練り直すこと、ホームページに位置付けなどを考えた上での計画を設計いたします。
もともと「チカミチ」という集客・求人支援を行っている私だからこそ、補助金活用が目的ではなく、きちんと集客に役立つ計画を考えて、補助金申請書類にまで落とし込みを行います。

補助対象となるには、「その制作物が、誰に、何を、どのように届け、どんな効果が見込まれるのか」といった販路開拓の戦略性が求められます。この戦略性は、単にデザイン性の高いサイトを作るだけでは成立せず、申請書上でその必然性をきちんと説明できるようにしておく必要があります。

また、補助対象経費としての扱い方に加えて、補助金全体の構成比率(ウェブサイト関連費が4分の1以下であること)を意識しながら、他の取り組み(チラシ、什器、看板など)とバランスを取る必要があります。

「これって対象になるの?」「構成がこのままで大丈夫だろうか?」と少しでも迷った時点で、早めに専門家へ相談いただくのがおすすめです。制度の枠組みを理解した上で、貴社の事業目的に沿った形で補助対象となるホームページ制作の計画に落とし込む――そのためのサポート体制を、当事務所では整えています。

ホームページ制作費は、制度を理解した上での活用がカギ

小規模事業者持続化補助金において、ホームページ制作費は「ウェブサイト関連費」として明確な枠組みが設けられており、その取扱いには他の経費とは異なるルールと注意点があります。

特に注意すべきなのは以下の3点です。

  • ウェブサイト関連費「のみ」の申請は補助対象外
  • 全体補助額の4分の1までしか計上できない
  • 制作の目的や内容が「販路開拓等」に結びついている必要がある

制度の本来の趣旨は、単なるツール導入や見た目の刷新ではなく、「販路開拓=売上拡大や新市場の開拓」につながる取り組みの支援です。そのため、ホームページを補助対象に含める場合も、事業全体のストーリーの中で“どんな役割を果たすのか”を明確に語ることができるかどうかが、採択を左右する大きな分かれ目となります。

当事務所では、制度の最新動向に常に目を配りながら、事業者の皆さまにとって実効性のある活用方法をご提案しております。特にホームページやデザイン制作を伴う申請では、専門の制作パートナーとの連携体制も整えておりますので、構成設計や見積もりの整理段階からぜひご相談ください。

「集客支援の一環で、ホームページ制作も補助金を活用したい」――そうお考えの事業者様は、まずは一度、貴社の構想や方向性についてお気軽にお聞かせいただければと思います。

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